日立ソリューションズの新しい開発支援モジュールについて
日立ソリューションズが新たなモデルベース開発支援モジュールを発表しました。このモジュールは、自動車業界におけるSDV(Software Defined Vehicle)対策として、シームレスなモデル接続機能を提供します。これにより、自動車メーカーやサプライヤーが求める効果的なシミュレーション環境の構築が可能です。
モデルベース開発の必要性と課題
近年、自動運転技術や電動車両の普及に伴い、自動車のデジタル化が進んでいます。この進展により、車載ソフトウェア自体が複雑化し、開発プロセスの効率性や柔軟性が求められています。このような背景から、モデルベース開発が重要な手法とされています。特に、早期に設計の問題点やリスクを発見することが重要であり、フロントローディング手法が不可欠となっています。
成長する自動車市場では、さまざまなサプライヤーが異なるバージョンの「MATLAB/Simulink」を使用してモデルの開発を行っています。これが原因で、モデル間のバージョン統一が難しく、互換性に関する問題が生じていました。また、セキュリティの観点から、秘匿化されたモデルも存在し、シミュレーションの実行が複雑になっていました。
新モジュールの特長
日立ソリューションズが開発した最新の「シミュレーション環境同期接続モジュール」は、以下の2つの特長を備えています。
1.
バージョン統一が不要:異なるバージョンのモデルでも、MILS(Model In the Loop Simulation)やSILS(Software in the Loop Simulation)での同期接続が可能です。これにより、従来のシミュレーション環境を構築する手間が削減され、効率的にテストが行えます。
2.
クラウド対応:企業は、クラウド上でもシミュレーションを実行できるため、開発の分散化が可能となります。秘匿化されたモデル同士のシミュレーションも容易になり、自社のノウハウを守りながら品質向上に取り組むことができます。
便利な稼働環境
このモジュールは、Windows 10およびLinux(Ubuntu 20.04 LTS)の64ビット版で動作し、幅広い環境で利用可能です。公式な提供開始日は11月1日で、個別見積も可能となっています。
展示会情報
この新モジュールは、2025年1月22日から24日まで東京ビッグサイトで開催される「オートモティブ ワールド2025 第2回 SDV EXPO 車載ソフトウェア開発展」にて展示されます。詳しくは、
こちらのURLをご覧ください。
結論
日立ソリューションズは、自動車業界の変革に向けて、車載ソフトウェアの発展を支援し、より安全で快適なスマートモビリティ社会の実現に貢献することを目指しています。最新モジュールの導入により、SDVへの道が大きく前進することでしょう。さらに詳しい情報は
モデルベース開発ソリューションのページをご参照ください。