宮城の漁網が生まれ変わる!emmiに導入されたタイルの価値
近年、エコロジーや持続可能性への関心が高まる中、宮城県の「amu株式会社」が一つの注目すべき試みを実施しています。廃漁網を原料にしたデザインタイル「amuca®タイル」が、ファッションブランド「emmi」のエスパル仙台店に導入されました。これは、同じく渋谷ヒカリエShinQs店と池袋PARCO店に続く、3店舗目の両者のコラボレーションです。
地域の資源を活用した新たな価値創造
amu株式会社は気仙沼市に本社を置き、廃漁網の回収とリサイクルに取り組むベンチャー企業です。「漁具から、価値の常識をひっくり返す。」をミッションに掲げ、地域で発生した廃棄物を再利用することで「ごみの地産地消」を実現しています。この理念が、地域の環境保全と活性化にどのように貢献しているのか、具体的な取り組みを見ていきましょう。
「amuca®タイル」は、気仙沼で回収された廃漁網や地元の酒蔵から生まれた廃瓶を活用して作られており、その製造過程はサステナブルなものとなっています。焼成工程が不要なため、従来のタイルに比べてCO2の排出を大幅に削減できるのです。具体的には、タイル1枚あたりの排出量を定量的に示すことができ、環境価値を目に見える形で訴えることが可能となっています。
emmiのブランド理念と相互作用
「emmi」は、心と体、そして地球にやさしいライフスタイルを提案するブランドであり、そのブランド理念は店舗設計にも反映されています。新しいエコマテリアルを採用することで、持続可能な美しさを演出するだけでなく、地域との結びつきを強化しています。
実際、amuca®タイルは仙台市内の「THE NORTH FACE / HELLY HANSEN エスパル仙台」や「BLACK TIDE BREWING - SENDAI店」でも使用され、地域を舞台とした展開が広がりを見せています。
これからの展望と地域循環の実現
amu株式会社は、今後もディスプレイデザイン企業や空間設計企業とのパートナーシップを形成し、amuca®タイルの使用範囲を拡大する計画です。店舗の内装や什器に取り入れることで、ブランドのストーリーを空間全体で表現し、地域活性化に寄与する意図があります。また、オーダーメイド品の制作も受け付けており、より多様なニーズに応える姿勢も魅力の一つです。
これにより、「廃漁網」という新たな資源に対する理解が広がり、それによって地域コミュニティの活性化が促進されることでしょう。環境に優しい素材の活用が、単に製品の見た目を美しくするだけでなく、消費者意識の変革にもつながっていくのです。
結論
宮城県発のamuca®タイルは、環境への配慮と地域資源を活用した先進的な事例として、多くの企業やブランドにインスピレーションを与えています。「いらないものはない世界をつくる」というビジョンに基づき、地域の魅力を新たな形で表現し続けるamu株式会社の挑戦から今後も目が離せません。