CEATEC 2025がもたらした電池業界への新たな視点
2025年10月14日から17日まで、幕張メッセで開催された「CEATEC 2025」において、一般社団法人電池サプライチェーン協議会(BASC)は圧倒的な存在感を示しました。「動かせ。未来を。」をテーマにしたブースには70社が参画し、4日間で計約17,000名が訪れました。これにより、電池業界の重要性とその未来に関する認識が再確認されました。
BASCブースの特徴
BASCのブースは、日本の電池サプライチェーン全体を可視化するための映像や展示物が設置されました。この展示は、カーボンニュートラル社会を実現するうえで電池がどれほど重要であるかを多くの来場者に伝える機会となりました。参加者からは、「電池業界の重要性が再認識できた」という声が多数上がり、幅広い層にリーチできた成果を示しています。
新たなビジネス共創への道
会期中、BASCはビジネスヒントファイルを配布し、企業同士の接点作りを目指しました。また、参加企業の人材のキャリア紹介を行うキャリアショーケースも開催され、求職者や一般来場者が各企業の魅力を感じ取ることができた貴重なスペースとなりました。
シンポジウムと未来へのアクション
BASCは、数多くのイベントを通じて電池産業の人材育成や技術の重要性についても発信しました。特に、BATON(バッテリー先進人材普及ネットワーク)の発表では、経済産業省の野原局長や早稲田大学の所千晴教授が登壇し、電池産業の将来を担う人材育成の必要性が強調されました。このイベントを通じて、産官学が一体となり人材育成を行う必要性が再確認されました。
特別イベントでのダイアログ
特別イベントでは、電池供給の戦略や未来へのビジョンが語られました。特に旭化成の吉野彰名誉フェローによる「リチウムイオン電池」がいかに社会に革新をもたらしたかについての講演は、参加者を魅了しました。「2050年に向けて、当たり前となる社会を作るための努力を続けたい」と吉野博士は語り、参加者に刺激を与えました。
科学と電池の魅力
サイエンスアーティストの市岡元気先生によるイベントでは、電池の科学的な面白さを分かりやすく解説され、多くの来場者に影響を与えました。彼が自身で持参したキットを使った実験では、科学への興味が喚起され、「楽しく電池の知識を得られた」という喜びの声が寄せられました。
展示の意義と今後の展望
CEATEC 2025でのBASCの取り組みは、国内の電池産業がいかに重要な役割を果たすかを再確認する機会となりました。好田会長は今回の展示を振り返り、産官学連携の重要性と共に新たなビジネスチャレンジに向けた必要性を強調しました。今後もBASCは電池の安定した製造基盤の確立を目指し、持続可能な社会のために貢献していくことでしょう。全体として、CEATEC 2025は日本の電池サプライチェーンの未来を見据えた重要な場となりました。