福岡発!演劇『見上げんな!』開幕
2025年3月28日に開館した福岡市民ホールの中ホールにて、演劇『見上げんな!』が華々しく開幕しました。この作品は、万能グローブ ガラパゴスダイナモス、ゴジゲン、そしてミュージシャンの小山田壮平によって制作された斬新な群像コメディです。福岡を舞台に、地域のアーティストたちが集結し、心に響く物語を紡いでいます。
開幕の背景
福岡を拠点に活動する各アーティストたち—万能グローブ ガラパゴスダイナモス、福岡出身の松居大悟が主宰するゴジゲン、そして小山田壮平。彼らが手を組むことで、福岡に根付いた新たな演劇の形を創り出しました。椎木樹人の信頼するキャストとスタッフが集まり、二週間の制作期間を経て、川口大樹の脚本は一層深みを増しました。
主演には、元HKT48の田島芽瑠が選ばれ、他にも多くの talentedなキャストが顔を揃えています。彼らの演技によって、よりリアルで感動的な人間ドラマが展開され、観客を引き込む力を持っています。さらに小山田壮平は音楽だけでなく、物語の重要な場面にも声で参加しており、演劇ですからこそ生まれるダイナミズムを体現しています。
物語のあらすじ
物語は、元アイドルの三月(みづき)が故郷の福岡に帰ってくることから始まります。彼女は地元のおじさんバンド、ボイジャーズのMV撮影を依頼されますが、バンドはほぼ解散寸前。撮影は絶望的な状況です。しかし、三月はこの難題に立ち向かうことを決意し、福岡の街を駆け回ります。彼女は、バンドメンバーが抱える問題を乗り越える助けをしながら、過去の自分とも向き合うことになります。
このプロセスで描かれるのは、音楽や友情、人間関係です。九州の街並みが背景に広がる中、三月は自分の過去を見つめ直し、音楽の意義を再確認します。
意義ある公演
椎木樹人がコメントするように、福岡市民ホールでの公演は特別な意義を持ちます。これまでの二十年間を振り返り、地域で築いた縁が集結した瞬間なのです。「福岡の匂いがする作品」とは、まさにその土地の文化と人々が作り上げた特別なものだということを意味しています。
本作は福岡、大阪、東京と3都市を巡ります。大阪では4月17日から20日まで近鉄アート館で、東京では4月24日から27日まで新国立劇場の小劇場で上演されます。
また、大阪と東京公演ではアフタートークも設けられており、豪華なゲストを迎えてのトークセッションが楽しみです。例えば、大阪公演には梅棒の野田裕貴やヨーロッパ企画の大歳倫弘などが出演し、観客との交流を図ります。
終わりに
『見上げんな!』は、ただの演劇にとどまらず、観客に刺激を与え、心に残る体験を提供するものです。福岡から発信されるこの新たな演劇が、どのように成長し続けるか、今後の展開にも注目です。若い才能が集まり、地域が一体となって作り上げた作品。その足跡は、観客の心に長く残ることでしょう。