養殖の進化が生んだ新たな味覚「夢あじ」
2025年1月7日から13日までの7日間、東京都中目黒にある鮮魚専門店「サカナバッカ」にて、株式会社さかなドリームが生産する「夢あじ」がテスト販売されました。この新しい養殖魚は、アジ科の希少魚「カイワリ」と南房総産の「金アジ(マアジ)」を交配させた世界初の品種です。このテスト販売には、魚好きの多くのファンが訪れ、大きな反響があったことが伺えます。
夢あじとは何か?
「夢あじ」という名称の由来は、まさにその美味しさから着想を得ています。豊洲市場で人気の高い魚、カイワリの特性を引き継ぎながら、安定した供給を可能にしたのがこの養殖魚です。養殖技術が確立されているマアジを片親に用いることで、プロの仲買人からも支持される最高の味わいを実現しました。
魚自体は、脂の乗った味わいと清々しい口当たりが特徴で、肉質もとても柔らかいと評判です。そのため、刺身や焼き物としても幅広く楽しめるのが魅力です。生態系への配慮としては、夢あじは先天的に繁殖能力を持たないため、逃げ出しても野生個体と交配する心配がありません。この点が、生態系への影響を最小限に留める要因になっています。
テスト販売の成果
テスト販売では、初日に用意された50尾の夢あじが即完売という好調なスタートを切りました。丸魚は1日5〜7尾限定で提供されましたが、開店15分でほとんどが売り切れ、お刺身は1時間で完売しました。顧客からは「臭みがなくとても美味しかった」という声や、脂の乗り具合についても高い評価が寄せられました。サカナバッカは、夢あじを通じて新しい食の楽しみ方を提供し、多くの人にその魅力を知ってもらう機会を作りました。
販売当初から、兵庫県など遠方からも「夢あじ」を求めて訪れる顧客の姿が見受けられました。このことからも、新たな味覚への期待の高さが伺えます。今後、本格販売は2025年夏を予定しているとのことで、さらなる人気が期待されています。
あとがき
テスト販売に関しては、さかなドリームのCMOである石崎氏が、「夢あじ」を購入するために訪れるお客様の熱意を感じたと述べ、その魅力を多くの人に伝えられたことを喜んでいました。また、サカナバッカの近井氏も、魚好きの客との対話が生まれたことが印象的だったとコメントしています。養殖技術の向上によって生まれた「夢あじ」を通じて、今後さらに多くの人々がその美味しさを体験し、日常の食卓に感動をもたらすことを期待しています。
このように、「夢あじ」は新しい食の価値を提供する一方で、サステナブルな取り組みにも貢献しています。引き続き、食に対する新たなアプローチを展開するサカナバッカの動向にも目が離せません。