大田区南六郷の創業支援施設『六郷BASE』が新たなビジネスを育成

大田区南六郷に位置する『六郷BASE』とは

東京都の大田区、特に南六郷エリアは、ものづくりの街として知られ、数多くの町工場が集まっています。そんな地域に新たに生まれた創業支援施設『六郷BASE』は、2021年10月にオープンし、新しいビジネスに挑戦する起業家やその希望者たちに対して、ワークスペースやノウハウ、さらにはビジネスマッチングの機会を提供しています。
今回、施設の運営を行う「南六郷創業支援施設運営共同事業体」のコミュニティマネージャー、太田尚緒美氏と角谷恵氏にお話を伺いました。

施設の特徴とサービス内容

六郷BASEは、創業支援を目的としたインキュベーション施設です。オープンスペースやセミナールーム、試作室を含む3フロアで構成されており、一階部分は会員以外も利用できるオープンな空間です。
特に注目の試作室には、3Dプリンターやレーザーカッターが完備されており、起業家は自身のアイデアを形にするためにここでプロトタイプを制作することができます。低コストで利用できるため、ものづくりに興味がある方が気軽に利用できる環境を整えています。

「ワークスペースには、フリーアドレスのコワーキングスペース、半個室型のシェアードオフィス、そして個室オフィスがあり、全て24時間365日利用可能です。特にコワーキングスペースは、様々な業種の起業家が集まり、その交流の場ともなっています」と太田氏は説明します。

起業家同士の交流を重視

六郷BASEでは、コミュニティマネージャーが入居者同士の交流を促進する活動も行っています。新旧の入居者が気軽に集まる茶会の開催や、業種ごとに特化したセミナーの実施など、実際のビジネスに役立つ機会を創出しています。
角谷氏は「私たちの役割は、単に場所を提供するだけでなく、起業家同士のネットワークを形成し、活性化させることです。このようなコミュニティの中で人とのつながりが生まれ、ビジネスの成長をバックアップします」と語ります。

特に注目すべきは、創業準備者向けのコミュニティ『hajimari BASE』や、ものづくりに興味を持っている人たちとの交流を図る『ものづくりCAMP』の開催です。これらのプログラムを通じて、参加者は自身の得意な分野での勉強会を開いたり、切磋琢磨しながらスキルを伸ばすことができます。

大田区での起業のメリット

大田区での創業には様々なメリットがあると太田氏と角谷氏は語ります。特に、ものづくりの技術に関しては大田区が持つリソースは十分です。また、東京という立地の特性を考えると、多くの展示会やイベントに参加する機会が提供されており、入居者は合同出展を通じて新しいバイヤーとの出会いや販路の拡大が可能です。

「大田区は地域の企業とのつながりが強く、それを生かしてビジネスを発展させるチャンスが多く存在します。私たちはそのお手伝いをし、地域のリソースを最大限に活用していただけるようサポートしています」と、角谷氏が言うように、地域に根ざした支援が行われています。