ベッコフオートメーションが実現したパワー半導体評価の自動化
ドイツのフェアルに本社を構える
ベッコフオートメーションは、PC制御技術に特化したメーカーとして知られ、その技術は世界中の様々な産業で広く利用されています。今回は、特に注目を集めている事例として、
インフィニオン・テクノロジーズによるパワー半導体テストラボでの導入についてご紹介します。
パワー半導体評価における課題解決
パワー半導体は、EV(電気自動車)や再生可能エネルギーのインフラにおいて重要な役割を担っており、その性能評価は極めて重要です。特に、パワーサイクル試験では、半導体に繰り返し負荷をかけた際の接合部温度を正確に把握することが求められます。この工程において
接合部温度の較正曲線を取得することが、信頼性評価の精度を高める鍵になります。
インフィニオン・テクノロジーズは、自社のテストラボにおいて、ベッコフのTwinCATとEtherCAT計測ターミナルELM3xxxシリーズを用いた自動テストベンチを導入しました。この変更により、計測精度が向上し、試験全体の効率も大幅に改善されました。
最大32モジュールを同時に評価
新しいテストベンチは、最大で32個のパワー半導体モジュールの較正曲線を算出することができる機能を持っています。この自動化により、以前の手動運用による非効率を解消し、正確なデータの収集が可能になりました。テストエンジニアの
マーティン・ザイデルマン氏は、この自動化の重要性を「性能評価用テストベンチで必要な全ての基盤を迅速かつ正確に算出できる」と強調しています。
従来の手法の限界と新しいアプローチ
以前、接合部温度の較正曲線を取得するためには手作業で計測電流やゲート電圧を設定していました。この過程では、異常が発生した場合でも自動検出や通知機能がなく、結果的に多くの時間と労力が費やされることが致命的な問題でした。しかし、2023年からはテストベンチの全自動化が進行中で、これにより業務効率が劇的に向上しました。
TwinCATとEtherCATによる精度向上
最新のテストベンチでは、TwinCATを使ったPC制御により、さまざまな種類の半導体モジュールの較正が可能です。ダイオードやIGBT、SiC MOSFETなど、多様なモジュールを炉内に設置・配線し、正確な電流を印加します。接合部温度が所定温度に到達した際、EtherCAT測定ターミナルのELM3102-0100が24ビットの分解能で電圧を測定し、高い信頼性で較正曲線を算出します。
効率の劇的な向上
オートメーション導入の結果として、1回の試験における約1時間の立ち上げ時間を削減、加えて、夜間の無人稼働も実現しました。これにより、1日あたり2回の試験が新たに可能になりました。また、TwinCATが炉扉の自動開放を制御することで、冷却時間も短縮し、次の試験準備を迅速に開始することができるようになりました。このような効率化は、総合設備効率(OEE)を向上させるのに貢献します。
未来に向けた展望
今後、モジュールIDに基づいて較正曲線のデータを中央データベースから自動取得する仕組みの構築も目指しています。この取り組みは、さらなるOEEの向上につながると期待されています。今回の成果を受けて、同様のシステムを他の拠点にも展開する計画が進行中で、一部はハンガリーの生産現場への導入が予定されています。
まとめ
ベッコフオートメーションは、PC制御技術を駆使し、パワー半導体評価における自動化のカギを握っています。
インフィニオン・テクノロジーズとの協力により、今後もさらなる技術革新が期待されます。これにより、パワー半導体の性能評価がますます高度なものとなるでしょう。
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