LIXILとAMDlabの共同研究
LIXIL株式会社、AMDlab株式会社、髙木秀太事務所が提携し、公共のトイレ利用に関する課題解決のための共同研究を開始しました。パブリックトイレは私たちの日常に不可欠な施設ですが、混雑やプライバシーの問題が存在します。この研究では、トイレの混雑解消に向けた利用実態の定量的評価を行い、快適さを追求します。
研究の背景
公共のトイレ、すなわち住宅以外で利用されるトイレには、オフィスや商業施設、公園など多岐にわたる利用シーンがあります。しかし、アルコール業界再建がトイレの混雑を引き起こし、必要な時に利用できないという問題が頻発しています。混雑の要因やそれを避けるための設計、利用者の動線など、様々な観点からの分析が求められています。また、ユーザーのプライバシーにも配慮する必要があり、そのため利用状況は可視化されづらいという特性もあります。以上の背景を受け、LIXILはAMDlabと髙木事務所との連携を決定しました。
共同研究の目的
本研究の目的は、実際のトイレ空間でのユーザー行動を把握し、より良いトイレ体験を提供するための設計のヒントを見つけ出すことです。具体的には、以下のような内容で構成されています。
1. トイレ空間における事象の定量的調査
2. 混雑解消を目指した研究
これまでの研究では、トイレ利用者の行動パターンが不明瞭であったため、この取り組みを通じてデータに基づいた良質な空間設計を追求します。
研究体制と活動内容
共同研究は以下の4つの分科会に分かれて進められています。
事例調査分科会
この分科会では、公共トイレの利用事例や提案プランに基づいた定性・定量データの解析を行います。実際のトイレ空間での利用調査を通じて、リアルなデータ収集を目指します。
幾何学分科会
幾何学的観点から、トイレ利用に関連するデータを解析します。具体的には、空間内の視認性解析を行い、利用者が感じる空間の印象や使いやすさに影響を与える要因を探ります。
センサー分科会
利用者の動線や行動をセンサーで確認する手法を確立します。センサー計測を用いてヒートマップを作成することで、混雑状況の把握や流れの分析が行えます。
シミュレーション分科会
他分科会で得られたデータを基に仮説を立て、シミュレーションでその効果を検証します。トイレ空間の混雑予測のためのシミュレーションが実施され、このデータがデザインにフィードバックされます。
共同研究事例
研究の一環として武庫川女子大学と協力し、トイレ内での利用者の行動や動線、混雑状況の調査を行います。また、トイレ利用者からのヒアリング調査を通じて、混雑緩和に関する意見を募集し、結果を本研究に反映させていく予定です。
調査についての概要
- - 活動期間: 2023年9月~2024年7月
- - 調査期間: 2024年1月~2024年7月
- - 活動回数: 12回(予備調査、ワークショップ、座談会等を含む)
- - 実施場所: 武庫川女子大学中央キャンパス
期待される効果
全研究の結果はLIXILの商品開発にフィードバックされ、より快適で使いやすいトイレ商品の提供に繋がります。LIXILは今後もトイレ周辺の製品やサービスを通じて、世界中の人々が求める豊かで快適な住まいの実現に貢献する予定です。
このような共同研究を通じて、トイレの混雑解消だけでなく、全ての人々が快適に利用できる社会の実現を目指しています。