経理の日に見るAIと経理業務の現状
毎年3月31日は「経理の日」として、弥生株式会社が各企業の経理担当者の意識を呼びかけています。この日をきっかけに、経理業務の重要性が再認識される中、弥生が実施した「経理業務のAI・DX活用に関する実態調査」が注目を浴びています。
調査の結果、経理業務におけるAIツールの導入率は約2割に過ぎないことが判明しました。さらに、導入した企業でも、業務に十分に活用できているとの自己評価が「60点以下」と厳しい結果が出ています。これは、経理部門内でのAIの普及が進んでいないことを如実に物語っています。
繁忙期に増加する業務負担
この調査では、年度末の繁忙期における経理担当者の業務負担が、平常月の2倍以上に達していることが明らかになりました。また、過半数の経理担当者が日々の業務を「めんどうくさい・つまらない」と感じているという結果も出ており、経理業務が抱える根本的な課題が浮かび上がっています。
多くの企業で、業務の約7割が依然としてアナログな手法で行われていることから、経理担当者は日々の業務に対して不満を抱いているのかもしれません。こうした手作業中心の働き方では、業務の効率化は難しく、AI導入への期待が高まりながらも実態は追いついていないと言えるでしょう。
AI導入の壁と期待
調査の中では、AI導入の目的は定型的な業務を任せることに集約されているものの、最終的な判断までは人が行う必要があるという意識が強く根付いています。AIに対して寄せられる期待は、主に「入力ミスのチェック」や「自動仕分け」といった業務であり、法令の解釈やイレギュラー対応などの重要な判断は人の役割という考えが主流です。
このことから、経理業務においてAIと人の役割分担が求められていることがうかがえます。経理業務の効率化はAIが担う部分であり決断や責任は人に委ねられているという、明確な役割分担の必要性がされていると感じます。
経理の価値は「判断」にシフト
経理担当者たちは、AIの導入が自分たちの仕事を奪うものではなく、業務の負担軽減につながると捉えていることも分かりました。彼らの多くは、AIが業務の一部を担うことで自分たちの業務は「判断・対話・責任」といった新しい価値にシフトしていくのだと理解しています。
こうした中、弥生株式会社が提供する「弥生会計 Next」は、クラウド型の会計管理システムとして業務を効率化し、経理担当者が本質的な業務に集中できる環境を整えることに寄与しています。また、経営支援の視点から、リアルタイムでの経営状況の可視化や資金繰りの把握を支援することに特化しています。
未来の経理業務に求められるもの
調査結果から、経理業務はAIの発展に伴い、確実に変化していくことが期待されています。AIの導入が進む一方で、経理担当者自身の役割は単なる作業から、人間にしかできない判断をする専門家としての地位を確立していくでしょう。
結論として、経理業務のAI活用が実現する未来は、より効率化されながらも、経理担当者の意義ある役割が大きく変わっていくというものです。AIとの共存を意識した業務環境の整備が、今後の経理業務の発展に欠かせない要素となることでしょう。