米屋の厳しい現実
2025-04-06 07:18:16

米屋が直面する厳しい現実、廃業が続出する背景とは

米屋の現状とその影響



近年、全国で「米屋(米穀店)」の廃業が相次いでいます。株式会社帝国データバンクの調査によると、2024年度における米屋の廃業件数は88件に達し、前年からも増加傾向が続いています。このような状況は、特に「令和の米騒動」とも言われるコメ不足の影響を受けて顕著に現れています。

米屋が直面する様々な問題



米屋の苦境は、コメの供給不足や価格高騰が主な原因です。天候不順や病害の影響でコメが不足し、2024年の夏頃から、在庫が確保できない状況が続いています。仕入れが難しい中で、取引先からは需要が寄せられるものの、販売できない米屋が増えているのです。また、仕入れ価格が著しく上昇しているため、販売価格への転嫁が困難な状況にあります。

実際、2024年度の米屋の約25.2%が前年に比べて益が減少し、22.4%が赤字に転落しました。これにより、47.6%の米屋が業績不振に陥り、閉店や廃業を余儀なくされています。前年に比べて新米の仕入れコストが増大し、収益力が低下している米屋も多いのが実情です。

市場価格の急騰



米の市場価格は急騰しており、2024年産の新米は特に高値で取引されています。JAグループなどの集荷業者が取引する価格は、玄米60kgあたり約2万4383円となり、前年産と比較しても約6割増です。木系や外食産業での需要が高い「安い銘柄」と呼ばれる米でさえ、5年間で価格が2倍に跳ね上がりました。

こうした価格上昇は、取り扱う米の仕入れを行う米屋にとって深刻な問題となりました。地域に密着して経営している多くの米屋は、小規模な家族経営であり、経営者や従業員が高齢化しています。このため、安定的な経営が難しくなり、多くは事業継続をあきらめざるを得ない状況です。

未来の展望



現状では、一部の米屋は仕入れ先を増やした上で販売先を既存客に絞るなど、安定した供給を目指しています。しかし、てんやわんやの状況であるため、「米屋で売るコメがない」との不安感が高まっているのが現実です。この流れは2025年度にも持ち越される可能性が大きいと見られています。

米屋の廃業が続く中、業界全体がどう回復し、安定した供給体制を整えていくのかが、今後の重要課題となるでしょう。消費者としても、米の魅力を再認識し、地域の米屋の支援を行うことが求められています。


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会社情報

会社名
株式会社帝国データバンク
住所
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000

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