国際物流の多元化に向けた実証調査プロジェクト
国土交通省が発表した最新の施策に注目が集まっています。それは、令和6年度の「国際物流の多元化・強靭化に向けた実証調査」の公募が始まったことです。このプロジェクトは、コロナウイルスの影響や国際的な情勢不安、自然災害などによって混乱しているサプライチェーンの安定を図るため、国際物流の多様性と強靭性を確保することを目的としています。
近年、私たちの生活は国際的な物流と密接に結びついており、その安定性は経済活動にとって極めて重要です。しかし、COVID-19のパンデミックや地政学的な問題、自然災害などが相次ぎ、従来の輸送手段やルートでの輸送は脆弱性を露呈しました。これを受け、国土交通省は新たな輸送手段やルートを模索する実証調査を行うことになりました。
実施の詳細
公募の期間は令和6年11月6日から12月6日までの一ヶ月間です。対象となるのは、日系の荷主企業と物流事業者です。この実証輸送は、2023年11月中旬から2024年1月に実施され、以下の特定のルートを利用することが求められています。
- - パキスタンのカラチ港からアフガニスタンを経由して中央アジアと日本を結ぶルート
- - 北米のミニランドブリッジ経由で日本と欧州を結ぶルート
- - 南シナ海を迂回し、日本とASEAN諸国を繋ぐルート
- - その他、事業者側からの提案に基づく新しい特別な輸送案
この調査では、輸送手段・ルートの選定にあたっての必要性、実現可能性、汎用性を総合的に審査します。また、検証事項には輸送コスト、リードタイム、輸送品質、トレーサビリティ、BCPルートとしてのリスク評価などが含まれています。
補助金の支給
さらに、本プロジェクトでは国費から調査協力のために原則として一輸送につき110万円が支給されます。ただし、応募件数によっては支給金額が調整される可能性があるため、参加希望者は注意が必要です。この実証調査は、国土交通省が委託したもので、実施の詳細については公募要領や事業概要を確認することが求められています。
応募方法
応募を希望する事業者は、国土交通省の指定する応募様式に必要事項を記載し、メールまたは郵送で提出する必要があります。メールでの提出先は、E-mail:
[email protected] で、郵送の場合は、東京都千代田区霞が関の国土交通省物流・自動車局に送付してください。
このプロジェクトは、国際物流の未来を見据えた重要な施策です。新たな輸送手段やルートの確立は、私たちの生活にも大きな影響を与えることでしょう。国際情勢がめまぐるしく変化する中、柔軟かつ強靱な物流システムの構築が求められています。