東日本大震災から15年:園の防災・減災に関する実態調査
2026年3月、東日本大震災から15年という節目を迎えるにあたり、千株式会社が実施した防災・減災に関する調査結果が注目を集めています。調査によれば、幼稚園や保育園において避難訓練の実施率は驚異の99.6%を記録し、これまでの取り組みの成果が見られます。しかし、具体的な震災時の対応については依然として不安を抱えている園も多く、今後の課題として「本番想定の工夫」が求められることがする明らかになりました。
調査の背景
ここ数年、未曾有の天災が頻発している日本。2011年の東日本大震災以降、防災対策への関心は高まり、各園でも実際の被害を深刻に受け止め、対策を強化しています。特に2018年の保育所保育指針の改定によって、具体的な防災活動が進められた結果、避難訓練の実施が着実に定着しています。一方で、「心の安定」としての具体的な備えについては十分に整備できていない園が多いことも懸念されています。
調査結果のポイント
1.
避難訓練の定例化
年に1回以上の避難訓練を実施しているという園が99.6%という高い実施率を誇りますが、62.7%の園が「実際の災害時には不安がある」と回答しており、訓練は形式的なものであるという意識が見受けられます。
2.
インフラ整備の進展
保護者との連絡用手段や電源の確保といったハード面の対策が進んでいますが、有事に「本当に動けるか」という実効性を重視する流れになっています。
3.
心の安定の確保が課題
物理的な備蓄が進む一方で、避難生活における子どもの心の安定を支えるソフト面の対策は依然として課題です。約4割の園が「特に何も準備していない」との回答がありました。
実際に感じた「本番の恐怖」
岩手県釜石市で震災当時から園を運営している園長の体験談によると、訓練と実際の避難行動は全く異なるといいます。「訓練で習ったことも、いざ実際にその状況に直面すると、全てが頭から抜けてしまった」と彼女は語りました。このことから、普段の訓練だけでなく、心の備えを含めた準備がますます重要であることが伝わってきます。
インフラの整備とさらなる課題
最近5年間で新たに取り入れた対策として、保護者との連絡用アプリの導入や停電対策が目立ちます。特に「停電時や断水時のシミュレーション」が必要との回答が多く見受けられ、実効性の追求が進んでいることが伺えます。そして、自由回答からは「心の安定」を支えるために具体的に何を準備するかの関心も高まってきています。
子どもの「心の安定」を守るために
物質的な備蓄は進んでいるものの、子どもたちが安心して避難生活を送れるための具体的な心の備えについては多様性が見られます。お菓子やおもちゃの他に、「特になし」と回答する園が約4割に上ることは、今後の対応が求められていることを示唆しています。保育者の手を借りずとも、心の安定を保つ対策ができるような取り組みが必要です。
写真という記憶を「残す」重要性
さらに、調査の結果から大規模災害時における写真の重要性も浮かび上がりました。半数以上の園が「子どもたちの日常を記録しておく必要性」を実感していることがわかりました。これは、被災後の思い出や大切な瞬間を残す姿勢が防災活動にも貢献することを示しています。
まとめ
東日本大震災から15年を経て、各園がどのように防災・減災に取り組んできたかが明らかになりました。避難訓練の定期的な実施や物理的な備蓄が進む中、心の安定を保つための対策が緊急の課題として浮かび上がってきました。今後も園の具体的な取り組みを広く共有し、防災・減災の意識を高めていくことが大切です。