社員の転勤制度に対する意識調査、家庭事情が影響する現実とは

転勤制度に対する社員の現実

近年、企業における転勤制度への社員の反応が注目されています。特に家族の状況がその要因として大きな影響を与えていることが明らかになりました。エン株式会社が運営する情報サイト『人事のミカタ』の調査によれば、228名の人事担当者からの回答を元に、社員の転勤に対する態度が浮き彫りになっています。

調査結果の概要

調査では、社員の転勤辞令に対する反応として、「配慮要望」が43%、「拒否」が24%、「退職」が11%といった結果が出ています。家庭の事情が転勤を受け入れられない理由として挙げられ、特に「家族の介護や看護」が46%、さらに「子どもの就学」や「配偶者の勤務」が共に41%という結果から、家庭の事情がいかに重要な要素であるかがうかがえます。

業種別の転勤制度の実態

さらに、業種別で見ると、IT・インターネット関連の企業では62%が「転勤なし」と回答していますが、一方で流通や小売関連、商社では「転勤あり」が約7割と高い数値を示しています。これは、業務内容や求められる業種による特性を反映しているのでしょう。

転勤が多い職種

調査結果によると、転勤頻度が高い職種は「営業職（フィールドセールス）」で、実に55%が該当しています。次に多いのが「エンジニア」となっており、この差は大きいことが特徴です。このような職種において転勤が求められる背景には、業務の特性や顧客ニーズに応えるための戦略があると考えられます。

人事担当者の見解

人事担当者は、社員の「転勤拒否」の気持ちを理解しつつも、地域の拠点や店舗が人手不足に陥ることを心配しています。実際、約6割の社員が転勤辞令が出た場合、「退職を検討する」と答えており、転勤制度の見直しが求められる時代に入っていると言えるでしょう。多くの企業は、社員の私生活に配慮した働き方が重要であると認識していますが、現実には厳しい部分も多々あります。