ユニクロが映画による難民支援を推進
株式会社ユニクロが、映画を通じて難民を支援するための新たな取り組みを始めました。その名も「Displacement Film Fund(難民映画基金)」。この基金は女優ケイト・ブランシェット氏とヒューバート・バルス基金が共同で設立したもので、ユニクロはその創設パートナーとして10万ユーロを寄付しました。この基金は、2025年1月に行われるロッテルダム国際映画祭(IFFR)を舞台に、難民として避難を強いられてきた映画制作者に対して短編映画制作のために支援を行います。
映画制作者への支援
基金では、難民境遇にある才能ある映画制作者5名に対し、一人当たり100,000ユーロの資金が提供されます。彼らの作品は2026年のロッテルダム国際映画祭で初めてお披露目される予定です。支援を受ける映画制作者は次の5名です。
- - マリナ・エル・ゴルバチ氏(ウクライナ出身)
- - モ・ハラウェ氏(ソマリア出身)
- - ハサン・カッタン氏(シリア出身)
- - モハンマド・ラスロフ氏(イラン出身)
- - シャフルバヌ・サダト氏(アフガニスタン出身)
これらの映画制作者は、困難な状況下でもなお、創造的な表現を続けることで多くの人々にインスピレーションを与えています。
カンヌ国際映画祭でのパネルイベント
さらに、5月14日から始まるカンヌ国際映画祭では、この基金に関する公認イベントが開催されます。2025年5月23日には、ケイト・ブランシェット氏を含む支援を受けた映画制作者が登壇するパネルイベントも予定されています。このイベントは映画祭の重要な要素となり、一般の観客にも難民に関するテーマを認識してもらう機会となります。
ユニクロの理念「Made for All」
ユニクロはその支援を通じて「Made for All」という理念を体現し、映画の力を活用して難民の物語をより多くの人々に届けることを目指しています。ユニクロの公式コメントによると、映画は人々の意識を変える力を持ち、難民問題に対する理解を深める助けになるとされています。難民映画基金の設立は、支援活動が日本国内外で広がりを見せていることを証明しており、多くの人々が難民問題に関心を持つきっかけとなるでしょう。
ファーストリテイリングの長年の取り組み
ユニクロの親会社であるファーストリテイリンググループは、2006年からUNHCRとの協力を通じて世界の難民支援に取り組んできました。教育や職業訓練による自立支援や雇用の機会を提供することなど、多岐にわたる支援活動を行っています。これまでにもアフガニスタン難民への衣類提供や、難民キャンプでの訪問、雇用促進など、地域に根差した活動を展開してきました。
2022年からはバングラデシュでのロヒンギャ難民支援プロジェクトを開始し、年間340万枚のサニタリーナプキンを生産・配布するなど、具体的な行動を通じて難民への支援を拡大しています。ユニクロはその取り組みを通じて、映画の力を借りながら今後もさらなる支援を続けていく思いを表明しています。
未来に向けた期待
ユニクロの「Displacement Film Fund」が映画を通じて難民支援の輪を広げるだけでなく、これからの社会における難民問題に対する意義を問い直す場となることが期待されています。2026年のIFFRで上映される5本の短編映画が、多くの人々に感動と理解をもたらすことを願っています。