中小企業の輸出管理体制強化に向けた取り組みが加速!
グローバル化が進む現代において、中小企業が持つ高度な技術や製品は、海外への流出リスクに常にさらされています。特に、軍事転用可能な技術や製品は、知らないうちに大量破壊兵器の開発などに利用されてしまう可能性があり、企業は法令違反や信用失墜のリスクを抱えることになります。
このような状況を受け、日本商工会議所は、経済産業省と連携し、中小企業の輸出管理体制構築を支援する「中小企業等アウトリーチ事業」を今年度も開始しました。この事業は、中小企業が適切な輸出管理体制を構築し、機微な製品・技術の流出を防止することを目的としています。
多岐にわたる支援内容
日本商工会議所は、これまで「技術流出・安全保障貿易管理説明会」や安全保障貿易管理に関する個別相談窓口を開設し、多くの企業に支援を提供してきました。説明会は、延べ4,000社以上、個別相談窓口は延べ80社以上の企業から利用され、その重要性が高まっています。
今年度は、より多くの企業に情報提供を行うため、以下の取り組みを強化します。
1. 特設ホームページ
日本商工会議所、東京商工会議所、名古屋商工会議所、大阪商工会議所の各ホームページに、中小企業向けの輸出管理に関する特設ページが設置されています。特設ページでは、輸出管理の留意点に関する動画や、懸念・違反事例の紹介、申請手続きのフローチャートなどがわかりやすく解説されています。また、さらに詳しく知りたい企業向けに、「説明会・相談会」や「輸出管理の専門家による助言」などの申込受付も行っています。
2. 説明会・相談会
東京商工会議所、名古屋商工会議所、大阪商工会議所をはじめとする各地商工会議所では、今年度合計10回の説明会を開催します。企業規模を問わず、無料で参加できます。説明会では、安全保障貿易管理・技術流出防止管理の内容を、入門編、初級編、中級編の3つのレベルに分けて解説します。参加者は自分のレベルに合わせて受講できます。
さらに、説明会と併せて、輸出管理の専門家との個別相談会(事前予約制)も実施します。個別相談会では、企業が抱える具体的な課題について、専門家からアドバイスを受けることができます。
今年度は、オンラインと会場参集型を組み合わせたハイブリッド型説明会や、個別相談会の規模拡大も予定しており、より多くの企業が参加しやすい環境を整えています。
3. 専門相談窓口
日本商工会議所では、中小企業向けの安全保障貿易管理に関する専門相談窓口を設置しています。輸出管理の実務経験豊富な専門家が、無料で相談に応じます(事前予約制)。専門相談窓口では、企業の輸出管理体制構築や運用改善を支援します。
※専門相談窓口は、中小企業のみが支援対象となります。
※輸出管理内部規程(CP)を経済産業省に届け出ている中小企業は支援対象外となります。
※専門家と商工会議所による「該非判定」の代行は行っておりません。あくまで事業者の皆様ご自身で最終判断を行うための助言のみを実施しております。
輸出管理の重要性への意識向上を促進
日本商工会議所は、これらの取り組みを通じて、中小企業における輸出管理の重要性への意識向上を促進し、日本の安全保障と経済活動を両立できるよう支援していきます。