「kome-kami カード紙」とは
新たに登場した「kome-kami カード紙」は、企業や自治体が廃棄することになるお米を使ったパッケージ用紙素材です。この素材は、災害用備蓄としての役割を果たすお米や、流通過程で食用として使用できなくなったお米を再利用することで、これまで無駄にされていた資源を活かそうとしています。
特徴と利点
1. 脱プラスチックの確立
このカード紙の最大の特徴は、環境への配慮です。お米由来のナチュラルな色味と質感を持ち、しっかりとした厚みも兼ね備えています。そのため、ポストカードやパッケージにも適しており、プラスチックの使用を減らす一助となります。
2. フードバンク支援
さらに、売上の1%をフードバンクに寄付する仕組みを採用することで、食品ロスの問題に対しても目を向けています。この活動により、持続可能な社会の実現に貢献すると同時に、地域社会への支援も行うことができます。
3. SDGsの取り組み
kome-kamiは、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも寄与しています。具体的には、目標12(持続可能な生産と消費)、目標13(気候変動への対策)、目標14(海洋の保全)に関連する活動が進められています。
お米と紙の歴史
日本では古くからお米を紙に利用する文化が存在していました。鎌倉時代にさかのぼると、江戸時代には多様な米入りの紙が生まれ、再生紙の改善にも寄与しました。このような伝統を現代の技術によって復活させ、kome-kamiは新たな形で生まれました。
フードロス問題の現状
近年、日本では年間646万トンにおよぶフードロスが問題視されています。災害用食品備蓄が増加しつつある中、利用されずに廃棄されるものも多く、この現状を改善するためにkome-kamiが考案されたのです。
総務省の調査によると、63.8%の地方自治体が備蓄食料を廃棄しており、このような状況に対抗するための新たな解決策として、このカード紙が期待されています。
今後の展望
kome-kamiは、さらなる普及を目指して様々な企業や自治体とのコラボレーションを進めていく計画です。具体的には、化粧品のパッケージやお菓子の箱などに使用される厚紙として導入されることが期待されています。また、印刷業界でも積極的に取り扱われ、幅広く利用されることで、食品ロス削減に貢献していきたいと考えています。
会社情報
この新素材を開発したのは、奈良県にある株式会社ペーパルです。この会社は、130年以上にわたって紙文化の発展に貢献してきました。2008年には、環境に配慮したFSC認証を取得し、持続可能な素材の普及を目指しています。これからも、紙を通じてより良い社会の実現を目指してまいります。