魚の力で土を肥やす新しい肥料『大地燻製』が一般販売開始

新しい時代の農業資源、肥料『大地燻製』の登場

日本の農業における肥料の依存度は非常に高く、95%以上を輸入に頼っています。このような状況下で、熊本県天草市の果樹農家が地元の資源を活用し、独自に肥料を開発する取り組みを始めました。その名も『大地燻製』。これは、特に果物の可能性を広げるために、30年以上にわたって試行錯誤を続けてきた成果です。

依存からの脱却～地域の資源を生かした肥料作り

肥料の選択は農家にとって非常に重要で、かつ難しい課題でもあります。多くの農家がJAなどを通じて販売される一般的な肥料を使用していましたが、思うように作物が育たず、特に晩柑フルーツの味が満足できないことが多くなってきました。こうした中、天草・牛深地域の伝統的な加工食品「雑節」に着目。魚を燻製にして乾燥させるこの技術は、高品質な出汁としても親しまれています。それを肥料に活かせるのではないかと試みた結果が『大地燻製』につながりました。

何度も試行錯誤を経て完成

『大地燻製』は、単なる魚の乾燥粉ではありません。新しい肥料の基本となる成分のバランスを整えるため、何度も試行錯誤を重ねました。魚の風味や成分のばらつきは、一筋縄ではいかない問題でしたが、やっとこそ納得のいくブレンドが完成しました。

目に見える土の変化と果実の味

実際に『大地燻製』を実践した農園では、土の色合いや質感が明らかに改善され、保水力や根の張りも増してきました。その結果、副次的に果実の糖度が平均1.5度上昇し、外見や風味でも違いを実感できるように。市場や直売所での顧客からは「本当に美味しい」との評価も上がっています。これはアミノ酸やミネラルを豊富に含む雑節の活躍によるものだと考えています。

初の一般販売開始

今後、この『大地燻製』を家庭でも使えるように、販売会社COLLABOSTUDIOと協力し、一般向けに販売を開始します。肥料の使い方は非常にシンプルで、水と一緒にまくだけで簡単に使用できます。家庭菜園や子どもと一緒に野菜を育てる方々にぜひ試していただきたいです。「自分の手で安心して食べられる作物を育てる」という理念のもと、『大地燻製』が新しい一歩をお手伝いします。