スティーブ・ジョブズ1.0の真実
2026年2月3日、佐伯健太郎の著書『スティーブ・ジョブズ1.0の真実』が出版される。これは、NHKの番組「日本に憧れ 日本に学ぶ~スティーブ・ジョブズ ものづくりの原点~」に関連した8年間にわたる取材を元にした、極めて読み応えのあるノンフィクションだ。
著者の佐伯は、1987年に上智大学を卒業後、NHKに入局し、その後日本国内外で取材を行ってきた喜びと葛藤の記録を本書に織り交ぜている。本書は、スティーブ・ジョブズがいかにして日本の文化からインスパイアを受けたか、特に日本の新版画や焼き物との結びつきについて深く掘り下げている。
日本との結びつき
本書の中で特に注目すべきは、ジョブズがどのように日本の伝統的な美術に魅了され、それを自身のデザイン哲学に影響を与えたかという点だ。物語は、1984年1月30日、マッキントッシュの発表会で流れる映像に映し出された日本画の女性像から始まる。この一瞬の映像は、彼の美意識を形作る重要な要素となった。
彼が収集した日本の木版画や陶器についてのエピソードは、彼の美的感覚の原点を知る上で非常に興味深い。また、彼がどれだけ日本文化を愛し、影響されていたのかを示すエピソードは豊富に収録されている。特に、彼が夏の京都で自然体で過ごす姿は、従来の評伝では捉えられていない貴重な内容だ。
各章の内容
本書は12章からなり、第1章では「新版画」とジョブズの関係、第2章では銀座の画廊とのつながりが描かれている。続いて第3章では、フェルナンデス親子との絆について、そして第4章では京都を訪れた際の彼の様子が詳細に語られている。特に京都の哲学の道を散策する彼の様子には、誰も知らなかったジョブズの一面が垣間見える。
これらの章は、ジョブズの個人的な側面と彼の仕事に関連する影響を巧みに結びつけており、読み手に深い理解を与えてくれる。
佐伯健太郎の想い
佐伯は、ジョブズが日本の文化から多くを吸収していった過程を、この著作を通じて示したいという強い想いをもっている。彼自身も日本文化に対する敬意を持ちながら、ジョブズの姿を追い続けてきた。その集大成がこの本に凝縮されている。
まとめ
『スティーブ・ジョブズ1.0の真実』は、ただの評伝ではなく、文化や美意識の交差点に立つジョブズの真の姿を浮き彫りにした作品である。日本とジョブズの知られざる結びつきを探る旅は、読者にとって新たな発見と感動をもたらすはずだ。この書を手に取らずにはいられない。彼の魅力的な視点をぜひ掴み、深く味わってほしい。
最後に、本書には貴重な写真や資料も多数収録されており、文化的な観点からも楽しむことができる。」「スティーブ・ジョブズ1.0の真実」は、決して見逃せない一冊である。