高槻市の露地イチゴ品評会
令和7年5月7日、JAたかつき阿武野支店にて、地域で愛されている露地イチゴの品評会が行われました。このイベントは、70年以上続く伝統あるもので、地元農家たちの情熱が込められています。
露地イチゴの魅力
露地イチゴはその名の通り、自然の環境で育てられるイチゴのことを指します。露地栽培は天候に大きく影響を受けるため、非常に生産が難しいと言われています。気温や雨の影響を直接受けることで収穫量が不安定になる一方、その反面、ビニールハウスで育てられたイチゴには感じられない、香り豊かな風味が特徴です。
高槻市の阿武野地区では、昭和25年頃から露地イチゴの栽培が始まり、現在でも約30軒の農家がこの伝統を守り続けています。多くの商業用イチゴがビニールハウスで栽培される中、露地イチゴは本来の旬である5月に収穫され、その時期にしか味わえない特別な香りと味わいがあります。
品評会の様子
今回の品評会には、市内の12軒の農家が自慢のイチゴを出品しました。会場にはイチゴ特有の甘い香りが漂い、訪れた人々の目を楽しませました。最初の審査では、形状、色つや、粒の揃い具合などから最終候補が3点に絞られます。その後、選ばれたイチゴを縦に半分に切り、糖度計で測定を行い、最も優れたイチゴを決定します。
優秀賞は、土室町の向井栄三さんに贈られました。彼が育てたイチゴは、見た目と味わい、すべてにおいて高評価を得ており、審査委員を務めた大阪府北部農と緑の総合事務所の専門員、山野さんもその質の高さを認めています。「入賞したイチゴは、粒の揃い、見た目、糖度ともに素晴らしかった」とのコメントもありました。
地元特産品の継承
今回の品評会を通じて、地元の特産品である露地イチゴの魅力が再確認されました。農家たちの努力と情熱が詰まったイチゴは、地域の誇りでもあります。さらなる品質向上を目指して、農家たちは今後もこの伝統を受け継ぎ、次世代へとバトンを繋いでいくことが期待されます。高槻市の露地イチゴが持つ可能性はまだまだ広がっていくことでしょう。