ビジネスホテルの新たな広告メディア「おもチャンネル」
近年、ビジネスホテルでの宿泊者向け広告が新しい潮流を迎えています。
その中心的存在ともいえるのが、ABCフロンティアとブリッジ・モーション・トゥモローが共同運営する「おもチャンネル」です。これは客室内のテレビを活用した動画広告メディアで、宿泊者のプライベートな空間で視覚的かつ音声的に情報を提供することができます。実際、宿泊者がテレビを立ち上げる際に広告が流れる仕組みのため、1室あたり平均5回以上の広告視聴が可能で、広告到達率は何と75%を誇っています。
「おもチャンネル」は、現在アパホテルの51,000室および京急EXインの1,200室に導入され、特にビジネスパーソンに強くアプローチできる環境が整っています。これにより、効果的なマーケティング施策が実現しています。
カカクコムのインバウンド向けCMの配信
今回、カカクコムが展開する「Tabelog(食べログ)」のインバウンド向けCMが「おもチャンネル」で配信されました。この施策の背景には、訪日外国人客へのダイレクトなアプローチを実現するニーズがあったと言います。実施にあたり、マーケティング担当者は「おもチャンネル」のパーソナルな空間における活用方法に大いに魅力を感じ、インバウンド施策へとつながったとのことです。
インタビューでは、カカクコムの亀田郷平マネージャーと富樫つなでチームリーダーがこの施策を行うまでの経緯や、社内での反響を語ってくれました。
成果を実感した施策展開
亀田様は、以前に「おもチャンネル」でのトライアルがサクセスを収め、さらにインバウンドチャネルとしてのポテンシャルを相応に感じるようになったと述べています。「チェックイン時に取得されたパスポート情報を基に、国別言語での広告表示が実現できる点は非常に大きな魅力でした」と富樫様は言います。この多言語展開が可能なことで、宿泊者に対してより効果的にアプローチできる点が評価されています。
実際にCMが配信されると、英語圏からのサイトアクセス数が増加し、QRコード経由のトラフィックも期待以上の反響を得ました。特にチラシ設置による流入が多かったことは、改めて広告効果を実感させる結果となりました。
「宿泊者がチラシを持ち帰る数は予想を超え、追加制作が必要になるほど反響がありました。」と亀田様は振り返ります。
次なるステップと展望
今後の課題としては、予約につながる仕掛けの強化が挙げられます。訪日外国人に特別な体験を提供し、さらに高いコンバージョンを狙うためのクリエイティブな工夫が求められています。亀田様は「今後もインバウンド市場が成長する中、企業としてのトライ&エラーが重要」と話し、さらなる成功の手応えを感じています。
富樫様も「クリエイティブは未だ改善の余地があり、具体的な提案を通じて効果を上げていきたい」と意気込みを見せました。
この施策は、訪日外国人客に対して新たなアプローチを提供することで、ビジネスホテル業界に革新をもたらし、今後の観光産業の発展にも寄与することが期待されます。