日本人と外国人の日本語コミュニケーションの現状
近年、日本で働く外国人労働者の増加に伴い、日本人も外国人とのコミュニケーションを求められる場面が増えてきています。日本語学校や日本語教師養成講座を運営する行知学園株式会社では、外国人の同僚や上司と働く日本人を対象に、言語に関する意識調査を実施しました。調査結果によると、約8割の日本人が「日本語は難しい」と感じていることが明らかになりました。
調査の概要
今回の調査は2024年11月15日から11月16日の間に行われ、714人の日本人を対象に実施されました。多くの回答者が「外国人とのコミュニケーション」に関する問題意識を持っていることが浮き彫りになりました。この調査からは、いくつかの興味深い結果が得られました。
外国人雇用への認識
まず、「外国人の雇用が今後ますます重要になると思いますか?」という質問に対して、9割に迫る人々が肯定的な意見を示しました。特に『とても思う』とする人が38.8%、『やや思う』も48.7%に上ります。これは今後のビジネス環境における外国人労働者の重要性を物語っています。
日本語の難しさ
次に、外国人と日本語での会話に対する自己評価を尋ねたところ、8割以上の人が日本語が難しいと感じていると回答しました。この数字は、日本に住む外国人との日常的なコミュニケーションにおける言語の壁を示しています。「社内で使用する言語は何ですか?」との問いには、日本語と英語の両方を使う人が多く、日本語が主であっても英語や他の言語との混合が一般的な状況となっています。
自身の日本語理解度
さらに、「外国人からの日本語に関する質問に自信を持って答えられますか?」という質問では、約7割が『自信を持っている』と回答。とはいえ、外国人との会話で実際には『難しさを感じたことはない』と答えた人はわずか5%にとどまりました。難しさを感じる要因としては、わかりやすい言葉が思い浮かばない、伝わらないといった具体的な内容が挙げられました。
日本語研修の必要性
最後に、外国人向けの日本語研修の必要性について尋ねると、約9割の人がその必要性を認めており、多くが研修内容に改善の余地があると感じています。特に会話力やビジネス用語、敬語に関する研修の充実が求められています。このことから、外国人とのコミュニケーションを円滑にするためには、教育と研修の強化が急務であると言えるでしょう。
まとめと今後の展望
調査を通じて、日本人が外国人との日本語での会話に抱える課題が浮き彫りになりました。日本語教育や研修の重要性がますます高まる中、行知学園では日本語教師養成講座の開講を計画しており、これを通じて外国人とのコミュニケーションをよりスムーズにするためのスキルを社会に提供していく方針です。今後、言語の壁を越えるための取り組みが期待されます。