株式会社Spectee(スペクティ)は、東京都千代田区に本社を置く防災テックスタートアップで、その地位を確立するなかで、海外市場への進出を発表しました。2023年12月2日、同社はAIを活用したリアルタイム防災・危機管理サービス『Spectee Pro』を本格的に海外展開することを公表したのです。このサービスは、国内の多くの企業や自治体で導入されている実績を持ち、特にフィリピンへのライセンス導入が進むことが注目されています。これまでのフィリピンでのフィージビリティスタディや実証実験を経て、現地のニーズに合ったソリューションが遂に形として実現する一歩となるでしょう。
背景
近年の気候変動の影響で、世界中で自然災害の発生が増加しています。そのため、経済損失は約58兆円にも上るとされています。このような状況を踏まえ、災害に対する社会全体の体制を高める「レジリエンスの向上」が急務です。特に日本は防災技術に秀でており、この強みを活かして世界への貢献が期待されています。AIやIoTといったデジタル技術を利用して、さらに高度な災害対応能力が進化している中、Specteeはその一助を担おうとしています。
海外展開の意義
フィリピンは自然災害が多く発生する国であり、防災への関心が高い地域として選ばれました。若い世代が多くデジタルネイティブでもあるため、IoT技術と防災を融合させたシステムが受け入れられる市場として期待されています。この度、フィリピン政府および関連機関に80ライセンスが導入されることが決定し、その実運用が始まります。今後、ユーザーからのフィードバックを基にシステムをさらに進化させ、より使いやすいサービスにしていく方針です。
『Spectee Pro』の機能
『Spectee Pro』は、SNSや気象情報、膨大な数のカメラデータを解析し、自然災害や危機に迅速に対応するための情報を提供します。このリアルタイムのサービスでは、災害対応を行う企業や自治体が必要とする情報を、明瞭で整理された形で提供。災害時に役立つ情報を即座に入手することが可能になります。ユーザーは独自のAI技術を活かし、効率よく情報を収集することができるため、いざという時にも安心です。
未来のビジョン
SpecteeのCOOである根来 諭氏は、フィリピンを皮切りに、東南アジア全体に展開していく意向を示しています。予算が限られる国々において、比較的安価で導入できるクラウド型の『Spectee Pro』は、災害時に求められる情報収集能力の向上に大きく寄与することが期待されています。今後もSpecteeは、この技術を武器に防災情報の発展を促進し、世界各国での危機管理の課題を解決するために尽力していくでしょう。ユーザーのニーズに基づいたサービスを展開することで、国際的な防災体制の強化を図り、持続可能な成長を目指していきます。