立命館大学BKCに設立された新たな研究拠点
2023年、滋賀県にある立命館大学BKCに株式会社ベホマルが「ベホマルラボ」を開設しました。ここでは、プラスチック製品にバイオマスCO2吸収材を添加し、CO2を吸収する革新的なプラスチック製品「DACプラ」(Direct Air Capture-Plastics)の研究が進められます。ベホマルラボでは、植物由来の材料を基にした研究を通じて、環境問題の解決を目指しています。
DACプラの可能性
DACプラは特徴的な機能を持ち、常温常圧でCO2を吸収し、80℃以上の熱によって放出することができます。この吸脱着は繰り返し可能であり、持続的なCO2回収が期待されます。ベホマルが開発するバイオマスCO2吸収材は白色の粉末状で、既存のプラスチック製品に容易に添加できる特性を持っています。
世界のプラスチック生産量は年間約4億トンですが、その0.1%がDACプラに変わるだけで、年間172万トンものCO2削減効果が期待できます。これは、約5700ヘクタールの森林が1年間に吸収するCO2と同等です。このように、個々の製品によるCO2回収量は少ないものの、集合することで大きな環境への貢献が可能となります。
株式会社ベホマルの誕生と目指す未来
株式会社ベホマルは、2022年に設立されました。代表の西原は、長年の研究開発の経験を活かし、立命館大学との共同研究を通じてバイオマスに基づく新素材の開発に着手しました。西原は「地球を救う勇者になろう」とのビジョンのもと、自然環境の保護を目指しています。
子供たちに美しい地球を残すためという強い思いが彼女を起業に導きました。研究開始前は自宅で試行錯誤を重ねながら、立命館大学との資源循環に関する共同研究を進めてきました。また、滋賀県の起業支援事業に採択されるなど、支援を受けながら着実にビジョンを実現しようとしています。
ユビキタスCO2回収社会の実現へ
株式会社ベホマルの最終的な目標は、あらゆる場所でCO2を回収する社会の実現、すなわち「ユビキタスCO2回収社会」の確立です。この概念は、日常生活の中で自然にCO2回収が行われる世界を目指すものです。
ユビキタスという言葉は、もともとあらゆるところに存在することを指しますが、この概念は環境問題への対応として新たな意味を持つようになりました。
CO2削減技術は単独の企業や個人では解決できない大きな課題であるため、広く協力し、有効な解決策を共に見出すことが必要です。ベホマルもその一翼を担いながら、持続可能な社会の実現を目指します。
専門用語解説
- - DAC: Direct Air Captureの略称。気中のCO2を分離・回収する技術。
- - バイオマス: 生物由来の再生可能な資源のことを指します。
- - ユビキタスCO2回収社会: あらゆる場所で自然にCO2を回収することを目指した社会のことです。
このように、株式会社ベホマルが立命館大学内に開設したベホマルラボが大きな期待を寄せる中、私たちの未来はより良い環境に向けた一歩を踏み出そうとしています。
会社概要
- - 会社名: 株式会社ベホマル
- - 所在地: 滋賀県草津市野路東1-1-1 立命館大学BKCインキュベータ201号室
- - 設立: 2022年11月
- - 代表取締役: 西原麻友子
- - 事業内容: バイオマスCO2吸収材およびDACプラの開発・製造・販売
- - URL: 地球を救う勇者 ベホマル