ベトナムの電力問題に挑む新しいソリューション
今年度、ファンリード株式会社と株式会社RITの共同提案が、経済産業省の支援を受けることになりました。このプロジェクトは、「ベトナム国/“みちびき”を利用したドローン送電網点検ソリューション調査事業」と名づけられ、両社の技術力を結集した新たな取り組みです。
プロジェクトの背景と目的
ベトナムでは、老朽化した送電網や人手による点検方法の依存が深刻な電力不足を引き起こしています。この問題を解決するために、ファンリードは日本版衛星利用測位システム「みちびき」を活用したドローン送電線点検に取り組んできました。2023年度には、内閣府主催の実証事業にも採択され、ハノイ市で国産ドローンメーカーのMAJと共同で実証実験を実施しました。この実験では、送電線の精密な識別技術を確立し、異常箇所を1メートル程度の精度で特定する手法が成功を収めました。
本調査の目的は、この技術を事業化に向けたフィージビリティ・スタディを実施することにあります。具体的な技術の確立とその効率的な運用を目指していきます。
ベトナムでの取り組み
ベトナム電力公社(EVN)は、送電網の点検を革新する手段としてドローンの導入を進めています。ファンリードとRITは、EVNとの提携を通じて、ベトナムの経済成長に寄与することを目指しています。彼らのソリューションは、送電線の劣化を早期に発見し、大規模な停電を防ぐ役割を果たすことが期待されています。
企業間の連携
ファンリードは、2023年度の性能実証を活用し、2024年度には新たな事業化に向けた調査に乗り出します。その過程で、事業開発やコンサルティングを提供するRITとの密な連携を図ります。これにより、ベトナムを含むASEAN諸国での事業設計やサービスの展開を見据え、実現可能性の高いスタディを行っていくことができるでしょう。
企業概要
株式会社ファンリード
ファンリードはIT業界におけるトータルサポートを提供する企業です。2013年に設立され、DX推進やスマート業界の構築に取り組んでいます。代表は小林慶一氏で、東京都豊島区に本社を構えています。
株式会社RIT
RITは、デジタルトランスフォーメーションや新規事業開発を支援する企業で、2013年に設立されました。代表は安武遼太氏で、東京都中央区に本社を置いています。大手企業からスタートアップまで広くサポートが可能です。
この新たなプロジェクトが、ベトナムの電力網点検に革新をもたらし、電力不足問題の解消に寄与することが期待されています。両社の連携によって、今後の成果が注目されます。