パロマ・リーム、富士通ゼネラルを完全子会社化へ 公開買付け成立で新たな時代へ

パロマ・リーム、富士通ゼネラルを完全子会社化へ 公開買付け成立で空調市場の再編加速か



【東京】世界有数の空調・給湯機器メーカーであるパロマ・リームホールディングスが、株式会社富士通ゼネラルの普通株式に対する公開買付け(TOB)を2025年5月28日をもって無事終了し、これが成立したことを正式に発表しました。この買付けにより、富士通ゼネラルは今後、パロマ・リームの完全子会社となる見通しです。

今回のTOBでは、富士通ゼネラルの発行済み普通株式の約46.56%に相当する応募があり、買付け予定数の下限を上回ったことから、成立が確定しました。パロマ・リームは応募された全株式を取得する方針です。これにより、これまで富士通ゼネラルの主要株主であった富士通株式会社の保有する株式も、スクイーズアウト手続きを経て、最終的にはパロマ・リームが全株式を保有する形となります。全手続きの完了は2025年8月下旬を予定しており、空調業界における新たな勢力図が描かれつつあります。

グローバルリーダーとしてのパロマ・リーム



パロマ・リームは、「Air & Water」というキーワードで、空調と給湯の両事業を世界規模で展開する巨大企業グループです。その歴史は、日本を拠点とするパロマと米国を拠点とするリームの二つの源流に遡ります。日本のパロマは、1911年の創業から114年という長きにわたり、ガス器具メーカーとして揺るぎない地位を築いてきました。一方、米国のリームは、1988年にパロマグループに加わることで、パロマの北米市場への本格参入を後押しし、両社が一体となって空調機と給湯器分野におけるグローバルリーダーとしての地位を確立してきました。

現在、パロマ・リームは世界15ヶ国に拠点を置き、85ヶ国で事業を展開しています。その広範なネットワークは、約19,000人の従業員、36の製造拠点、そして17の研究開発拠点を擁するまでに成長しました。これら膨大なリソースを背景に、両社は長年の経験で培われた技術力とノウハウを活かし、より高性能で環境に配慮した空調・給湯製品を世界中に提供し続けています。中長期的な視点に立った成長投資を積極的に行い、持続可能な発展を目指している点も特筆すべきでしょう。

強固な財務基盤と今後の展望



パロマ・リームの財務基盤は非常に強固です。2024年12月期の連結売上高は約1兆円に達し、営業利益も約1,000億円という驚異的な実績を上げています。この盤石な経営基盤が、今回の富士通ゼネラル買収という大型戦略的投資を可能にしました。

今回の買収は、パロマ・リームがグローバル市場、特に空調分野におけるプレゼンスをさらに強化するための重要な一手と見られています。富士通ゼネラルが持つ高い技術力とブランド力、そして国内外に広がる販売ネットワークは、パロマ・リームの既存事業との相乗効果を生み出すことが期待されます。これにより、両社の強みが融合され、顧客への提供価値がさらに向上し、競争が激化する空調市場において、これまで以上の優位性を確立する可能性を秘めています。

今後、パロマ・リームと富士通ゼネラルの統合プロセスが本格化する中で、それぞれの企業文化や技術がどのように融合し、新たな製品やサービスが生まれるのか、業界内外から大きな注目が集まっています。両社の協力体制が、世界の空調・給湯市場にどのような変革をもたらすのか、その動向から目が離せません。

会社情報

会社名
株式会社パロマ・リームホールディングス
住所
東京都千代田区丸の内1丁目8番3号丸の内トラストタワー本館7階
電話番号
03-5224-8600

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