JEPLANとFANS、衣類リサイクルの新たな一歩
2023年、JEPLAN株式会社とFANSが業務提携を結び、使用済み衣類のリサイクルを効率的に行う新しい取り組みが始まりました。これは、日本国内で発生する衣類の多くが家庭や事業所から廃棄されている現状を踏まえ、両社が力を合わせて資源循環を実現しようというものです。具体的には、JEPLANが衣類を回収し、FANSではその衣類を原料として自動車用部材へと生まれ変わらせる計画です。
使用済み衣類の現状
2022年、日本国内での衣類供給量は約79.8万トン。そのうち約73.1万トンが使用後、手放されたことが統計からわかっています。この膨大な量の衣類がどのように処理されているかは、環境への影響を考える上で重要なポイントです。両社の提携により、この無駄を減らし、持続可能な社会に向けて前進することが期待されています。
BRING™の取り組み
JEPLANが運営するBRING™は、様々なアパレルブランドと連携し、衣類の回収・リサイクルを行っています。回収した衣類は北九州市の工場で独自のPETケミカルリサイクル技術を用いて、化学的に分解され、新たな原材料として再利用されます。これにより、消費者は衣服の製造過程や原材料に関する情報を確認できる「トレーサビリティ」の向上にも努めています。
FANSの新技術
FANSでは、使用済み繊維製品を新たに導入した自動設備で処理し、反毛繊維を生成。岩手県の一関工場では、これまで手作業で行っていたボタンやファスナーの除去を自動化することで生産効率を向上させ、今後、石岡工場においては月産300トンの生産が期待されています。
共同の未来に向けて
今回の提携により、JEPLANが回収した企業ユニフォームをFANSが一関工場で処理し、市場に供給します。また、このプロセスを通じて、消費者から回収した衣類のリサイクルも進められる予定です。これにより、資源循環システムが維持・強化され、より多くの使用済み衣類が再利用の道を得ることになります。
サーキュラーエコノミーへの貢献
JEPLANグループは、引き続き国内外のパートナーと連携し、サーキュラーエコノミーの実現に取り組んでいます。現在の提携を通じて、両社はリサイクルプロセスの透明性を高め、消費者への情報提供を強化していく考えです。このような取り組みによって、環境への配慮が強く求められる現代社会において、持続可能な未来を切り開いていくことでしょう。
このように、JEPLANとFANSの提携は、使用済み衣類のリサイクルに新しい可能性をもたらすものです。それぞれの技術と知見を結集し、持続可能な社会の実現に向けて、さらなる成果が期待されています。