エルピクセルがFathomXのAI診断支援技術を提供
エルピクセル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:鎌田富久)は、シンガポールに拠点を置くAIスタートアップFathomX Pte Ltdと提携し、マンモグラフィ向けの画像診断支援技術を提供することになりました。これは、エルピクセルの「EIRL AI パートナープログラム」の一環として位置づけられています。このプログラムは、パートナー企業がAI技術を活用して新たな価値を生み出すことを目的としています。
FathomXの技術背景
FathomXは、2019年にシンガポール国立大学からスピンオフした企業で、乳がん診断に特化したAI技術を開発してきました。この技術は、特にアジア圏の患者に多く見られる高濃度乳房に対しても高精度の診断を可能にしており、すでにアジア7か国で薬事登録を受けています。しかし、医療機関に導入するためには、既存の医療ITシステムとの接続や販売網の構築など、多くの課題が存在します。
エルピクセルは、「医療AIですべての人に健康な未来を」という理念のもと、画像診断支援AI「EIRL」シリーズを展開し、これまでに900以上の施設に導入実績を持つ企業です。がんは早期発見が極めて重要な疾患であり、画像診断支援AIはそのリスクを大幅に減少させることが期待されています。
EIRL AI パートナープログラムの目的
2024年1月、エルピクセルは自社のノウハウを活かし、パートナー企業の製品開発や販売を支援する「EIRL AI パートナープログラム」を開始しました。このプログラムにより、エルピクセルはFathomXの診断支援AI技術をEIRL AI Platformに統合することで、国内の主要なPACS(医療用画像管理システム)との接続が可能となります。また、胸部や頭部を対象としたEIRLシリーズとの連携により、健康診断における画像診断支援をトータルで強化しています。
社会への貢献
がんに伴う経済的負担は年々増加しており、国立研究開発法人がん研究センターのデータによれば、がんによる経済的負担は約2兆8,597億円にも上ります。特に、男性の肺がんや女性の乳がんは、社会的なコストが大きいと言われています。この問題に対処するため、エルピクセルの技術とFathomXの革新的なAIを活用することで、より良い支援が可能になると期待されています。
エルピクセル株式会社は、今後も医療分野におけるAI技術の進展を目指し、様々な診断に役立つ製品の開発を進めていく方針です。これにより、医療機関や患者が抱える課題の解決に貢献し、より健康的な未来を築くサポートを行います。
どのように連携が進むのか
エルピクセルとFathomXの連携により、今後の医療現場では、より多くの患者に迅速かつ正確な診断が提供されるようになるでしょう。このような技術の組み合わせが、新たな医療の可能性を切り開くことになるのです。エルピクセルの技術を駆使した診断サポートが、医療従事者の負担を軽減し、患者にとってもより良い医療体験を提供するための鍵となることでしょう。
エルピクセルは、AIを用いた医療の未来を見据え、さらなる技術革新に挑戦し続けます。