生成AIの企業活用を深めるギブリーの新戦略が注目される
株式会社ギブリーは、日本マイクロソフトが主催した生成AIサービスのパートナー戦略発表会「Gen AI Partner Day」に出席し、生成AIの企業利用法についてのセッションを行いました。特に、Microsoft 365 Copilotを活用した事例や、企業が直面する課題に対する解決策に焦点を当てた内容が展開されました。
生成AIの特有な課題とは?
ギブリーの取締役、山川雄志氏は、生成AI活用における企業の役割とその課題について説明しました。彼は「生成AIは強制力が働きにくい」と指摘し、企業が直面するウィークポイントについても触れました。従来のDX(デジタルトランスフォーメーション)手法と異なり、生成AIは導入しても利用しなければ従来の業務を続けることができるため、その浸透が難しいというのです。
さらに、単純にツールを導入しただけでは、十分な効果が得られず、場合によっては業務が非効率になる懸念もあります。そこで、企業内部での創造的な利用促進が求められることが強調されました。
住友商事の成功事例
ギブリーが行ったセッションで紹介されたのが住友商事の事例です。約9000名の従業員に生成AIのライセンスを提供し、全社的な活用を試みた結果、数々の障害に直面しました。導入初期には、「ライセンスが突然配布されるだけでは十分に活用できない」「期待通りの出力が得られない」との声が上がりました。しかし、これらの課題はギブリーの支援により克服されていきます。
その中核的な取り組みは、「ゴールデンプロンプト集」の作成です。このプロンプト集は、様々な部門や職種で汎用的に利用できるユースケースを集約したもので、実際の業務にフィットするように工夫されています。たとえば、Teams会議のデータを加工して議事録を作成する新しいワークフローが成功を収め、業務効率は飛躍的に向上しました。
経営側のコミットメントの重要性
セッションの締めくくりでは、山川氏が経営層の関与の重要性について強調しました。生成AIの活用には現場の工夫が不可欠であり、経営側が具体的なサポートを行うことで、より効果的な運用が実現できると語りました。特に、経営者自身が技術を理解し、体験することで、組織全体の意識が変わることが期待されています。
ギブリーの取り組みは進行中
ギブリーは、500社以上の生成AI活用支援を通じて得た知見を基に、独自のメソッドを形成しています。DXチームだけでなく現場メンバーを巻き込むプロセスや、アンバサダー設置によるモニタリング体制の構築が含まれています。このような多岐にわたるアプローチにより、企業における生成AIの利用促進が進んでいくわけです。
まとめ
株式会社ギブリーが発信する生成AIの活用戦略は、企業の業務効率化を図るための重要なステップと言えるでしょう。特に住友商事の成功事例は、他社にも学びの機会を提供し、さらなる発展が期待されます。これからも生成AIの技術を用いた新たな挑戦が続く中で、ギブリーの役割にもますます注目が集まることでしょう。