リアルテックファンドがリボルナバイオサイエンスに投資し新たな治療法開発へ

リアルテックファンドがリボルナバイオサイエンスに出資

最近、UntroD Capital Japan株式会社が運営するリアルテックファンドが、RNAを標的とした経口型低分子薬の開発を推進する株式会社リボルナバイオサイエンスに資金を提供したことが発表されました。この出資は希少疾患など、遺伝子の変異に起因する病気の治療薬開発を狙いとしています。

リボルナバイオサイエンスの概要

リボルナバイオサイエンスは、神奈川県藤沢市に本社を置き、2018年に設立されました。同社は、ヒトの体内に存在する全長RNAの三次元構造を基にした独自のスクリーニング手法を活用し、高いRNA親和性を持つ低分子化合物を特定しています。これにより、RNA機能を正常化し根本的な治療効果を持つ経口型医薬品が生み出されると期待されています。

同社の成果は多くの企業から評価され、既にBiogenやキッセイ薬品工業、小野薬品工業との共同研究やライセンス契約も締結されています。

資金調達の目的と使用用途

リボルナバイオサイエンスは、リアルテックファンドを含む6つの企業から約7.7億円の資金を調達しました。この資金は、前頭側頭型認知症を含むさまざまな難病に対する研究開発に使用される予定です。今回は特に、自社パイプラインの充実を図るための研究開発投資が強調されています。

企業のビジョン

リボルナバイオサイエンスでは、全長RNA合成技術と低分子化合物を組み合わせた新たなスクリーニング技術が開発されました。低分子化合物は経口摂取が可能で、合成もしやすい特徴がありますが、通常、RNAと相性が悪いのが現状です。しかし、同社はその技術を駆使することで、治療選択肢が限られる疾患や、従来の医薬品とは異なる特性を持つ、高薬効・低毒性・利便性に優れた治療薬の開発を目指しています。

「私たちが提供する医薬品が、一日でも早く患者さんの元に届くことを願っています」と、UntroD Capital Japanのグロースマネージャー三井善夫氏は語ります。

リアルテックファンドの背景

リアルテックファンドは、2015年に設立され、研究開発型の革新的テクノロジーを持つスタートアップへの出資・支援を行っています。現在までに複数のファンドを運営しており、運用総額は400億円を超えると言われています。このファンドの目的は、未踏の領域に踏み出し、持続可能な経済の仕組みを創ることで、社会に必要とされる資本を供給し続けることです。