株式会社cica、広島県安芸高田市に設立鹿を通じた地域活性化に挑む

新たなプロジェクト、株式会社cicaの誕生

2024年11月29日、株式会社cicaが広島県安芸高田市に設立されました。この企業は、増え続ける鹿を起点に地域の新たな価値を創出し、山と町の魅力を引き出すことを目的としています。代表取締役には、iDの代表を務める金沢大基氏が就任しました。

背景と設立経緯

近年、広島県全域で鹿による被害が増えており、捕獲と共にその肉の有効活用が求められています。安芸高田市では、2021年度時点での鹿の推定個体数が11,585頭とされ、その数は地域に大きな影響を与えています。これに対処するため、鹿肉を地域資源として活用し、その価値を高めることがcicaの使命です。

2019年には、iDが安芸高田市の鹿肉を「Premium DEER 安芸高田鹿」としてブランド化し、2022年には「DEER LABO 安芸高田」という拠点も設立しました。この拠点が新たなカタチで発展し、cicaが設立されることとなりました。

鹿肉を通じた多様な事業展開

cicaでは、鹿に関連する6つの事業を展開します。

1. シェフズテーブル事業
調理に特化したシェフを招き、安芸高田市の食材を用いたコース料理を提供するイベントを開催。地域の美味しさを体験できる機会を提供します。

2. 食育事業
小学生とその保護者を対象としたイベントを行い、「いのちをいただくことの大切さ」を学ぶ機会を提供します。今後は、他地域でもの開催を予定しています。

3. 店舗運営事業
鹿肉を使用した飲食店を開業し、地域資源をPR。また、山の食材に特化した専門店の設立も予定しています。

4. 新商品開発・卸事業
シェフと協力し、新たな鹿肉商品を開発。安芸高田市周辺から高齢者や学生を雇用し、地域の活性化を図ります。

5. 猟師・精肉師育成事業
捕獲の担い手を育成するため、安芸高田市のジビエ振興協議会と連携します。

6. DX・データ分析事業
大学と連携し、鹿肉の受発注システムやデータ管理システムを開発し、効率化を図ります。

地域活性化とサステナビリティ

cicaの目標は、鹿肉を通じて地域課題を解決し、社会に貢献することです。特に、鹿が生息する山やその周囲の地域資源を発信し、観光資源として生かすことで、持続可能な地域活性化に寄与します。

また、デザイン領域での第一線で活躍する小杉幸一氏もクリエイティブディレクターとして参画。同氏のデザイン力を活かし、地域や商品にメッセージを込めたコミュニケーションを図ります。

最後に

金沢氏は、「鹿を知ることで、地域の美しさや四季の大切さを感じ、新しい価値を生み出せると確信しています。cicaの設立を通じて、未来の日本に気づきを与える取り組みを続けていきます」と語っています。この新たな取り組みが、広島県安芸高田市を中心とした地域の魅力を一層引き出し、地域貢献に繋がることを期待しています。