中外テクノスが陸上養殖事業向け微生物解析サービスを提供

中外テクノス、陸上養殖に新技術を提供

広島県の中外テクノス株式会社は、陸上養殖の分野で微生物の解析サービスを新たに開始した。これにより、水質管理や魚介類の成長に関するさまざまな課題に対処することを目指している。この取り組みは、環境DNAや極微量分析といった、同社が長年にわたり培ってきた先端技術を活用したものだ。

陸上養殖と微生物の重要性

陸上養殖では、水質の管理や養殖する魚介類の成長、さらには給餌において微生物が重要な役割を果たしている。特に、閉鎖循環式の陸上養殖では、水槽内の水を循環させるため、魚の排泄物や給餌の残りがアンモニアへと変わってしまう。これを適切に処理しないと、悪影響を及ぼす可能性が高いのだ。アンモニアは硝化細菌の働きによって亜硝酸や硝酸に変わり、その後、脱窒細菌によって窒素に戻される。このプロセスでは、微生物の適切な管理が欠かせない。

また、微生物は魚介類の腸内にも存在し、与えられた餌の影響を強く受ける。他にも病原菌を通じて魚達に影響を与えるため、微生物の解析と管理は養殖において極めて重要とされている。

新たな技術サービスの概要

中外テクノスが提供する技術サービスは、以下の内容が含まれている。まずは次世代シーケンサーを使った細菌、古細菌、真菌、藻類の網羅的解析。さらに、水質浄化に関連する微生物の検出や定量も行う。

主な技術サービス

- 次世代シーケンサーによる細菌・古細菌・真菌・藻類の網羅解析
- 水質浄化に関する微生物（硝化細菌、脱窒細菌、アナモックス細菌など）の検出・定量
- 魚介類の腸内細菌叢の解析と生育状態との関連性調査
- 微生物製剤の成分確認
- 要望に応じた特定の微生物やウイルスの検出方法の確立

今後のビジョン

中外テクノスは、ライフサイエンス分野における豊富な知識や技術を他の環境分野にも展開していく計画だ。持続可能な陸上養殖の発展をサポートするため、最新の分析技術や研究成果を積極的に提供することを誓っている。この新しい取り組みが、養殖業者にとって心強い味方となることを期待している。

未来の陸上養殖が、持続可能で効率的な生産体制の実現を目指す中、中外テクノスの挑戦はその一翼を担う重要な事業となるだろう。