看護・介護・保育職の実態調査に関する報告
株式会社マイナビは、看護・介護・保育というエッセンシャルワーカーの現状を分析するため、最新の調査結果を発表しました。この調査では、看護・介護・保育職と一般の会社員を対象に、賃金、充実感、理想の年収と現実の年収のギャップなどが調査されています。
賃金のベースアップの実態
調査によると、直近1年間で賃金がベースアップした看護・介護・保育職の平均金額は約6,831円。これは一般公司員の平均17,689円と比較すると、大きな差があります。この結果から、看護・介護・保育職は、賃金ベースアップは一応進行中であるものの、金額的には依然として低水準にとどまっています。このことが年収に対する満足度に影響し、看護・介護・保育職の満足度は平均49.4点と、一般会社員の56.0点に比べて低い評価となっています。
理想と現実の年収ギャップ
さらに、理想の年収と現実の年収のギャップについても言及されています。看護・介護・保育職が思う理想の年収は平均548万円に対し、現実の年収は414万円で、その差は130万円以上に達します。このギャップは、職業に対する責任感や業務負荷とは裏腹に、十分な対価が支払われていないとの認識を示唆しています。
充実感と仕事へのやりがい
ただ、興味深いことに、約7割の看護・介護・保育職は自身の仕事にやりがいを感じていると回答しています。エッセンシャルワーカーの中でも、保育職が最も高く77.0%、次いで看護職62.3%、介護職58.3%が充実感を感じていると述べています。これらの結果は、賃金の不満があっても仕事への熱意ややりがいを見出している人が多く、特に看護・保育職は早期から志望している傾向が影響している可能性があります。
政治の方針と今後の展望
政府は看護・介護・保育職の賃金アップを目指していますが、実際のプロセスは依然として遅れているのが現状です。調査では、賃金ベースアップを経験した人は1割台で、幅も一般会社員よりも1万円以上低い結果に。また、今後も少子高齢化が続く中で、これらの職種はますます重要性を増すと考えられています。
この状況が続くと、エッセンシャルワーカーの不足が進行する可能性があり、早期の改革が望まれます。看護・介護・保育職の意義と賃金のバランスを取るためには、現実をしっかりと受け止めた上での政策が求められるでしょう。今後、いかにしてこれらの職場環境や待遇が改善されるかに注目が集まります。