東急リバブルとアルサーガパートナーズが実現した生成AI活用システム
東京都渋谷区に本社を置く東急リバブル株式会社は、同じく渋谷区を拠点とするアルサーガパートナーズ株式会社と協力し、生成AIを活用した独自のシステムを開発しました。このシステムは、SNSへ投稿するための文章作成を効率化するものです。2024年11月に本システムの運用が開始される予定です。
SNSと不動産業界の関係
最近、SNSは様々な業界で情報を発信・共有する重要な手段となっています。不動産業界でもこの傾向は顕著で、売主と買主のあいだでのコミュニケーションを円滑にするためのツールとして期待が寄せられています。しかし、不動産物件の特性を理解し、適切な情報を選んで分かりやすい文章にすることは決して簡単ではありません。このため、SNSを用いる際には、多様な条件を考慮した情報の表現が求められます。
従来、東急リバブルでは、SNSへの投稿を担当するスタッフが、営業担当者の要望をもとに個別の文章を手作成していました。この取り組みでは、限られた量の物件しか投稿できないため、SNSを一般的な販促手段として活用するのが難しい状況でした。
生成AIによる業務効率化
そこで、東急リバブルは次世代のお客様、特にZ世代を意識し、SNSを効果的に利用する方法を模索しました。生成AI技術の導入を決め、特定のシステムを開発することになりました。このシステムでは、不動産情報をAIが理解し、SNS投稿用の文章を自動的に作成します。実際のPoC(概念検証)の結果、AI生成の文章は担当者が作成したものと遜色ないことが確認され、少しの修正で利用が可能であることが分かりました。
このシステムにより、SNSへの投稿にかかる作業時間が、従来の45分から10分に短縮されるという画期的な成果が得られました。これにより投稿件数は4倍にまで増加が見込まれています。さらに、アルサーガパートナーズの技術によって、生成AIへの指示がパターン化された選択メニューとして展開されるため、特定の専門知識がなくても利用が可能です。
また、不動産広告として不適切な表現を使用しないように、事前に「禁止ワード」を設定し、自動的に排除する機能も実装されています。これによって、広告の適正化も図る狙いがあります。
未来に向けた展開
今後、東急リバブルはAIを駆使した更なる業務変革を進めていくにあたり、既に開発した不動産価格査定AIや新築マンションレコメンドAIなどと合わせ、さまざまなサービス向上を目指しています。生成AIを使ったSNS投稿業務は、その初歩的な試みですが、長期的には法務、広報など他の業務領域でもの活用が進められる予定です。
このシステムにより、将来的な労働人口の減少や働き方改革が求められる中で、デジタル技術を活用して効率を向上させ、顧客体験の質を高めることが期待されます。
会社概要
所在地: 東京都渋谷区道玄坂一丁目9番5号
代表者: 代表取締役社長 太田陽一
資本金: 13億9630万円
設立: 1972年3月10日
所在地: 東京都渋谷区桜丘町1番1号
代表者: 代表取締役社長CEO/CTO 小俣泰明
資本金: 14億3470万円(資本準備金等含む)
設立: 2016年1月8日
これらの取り組みは、不動産業界におけるデジタル化の先駆けであり、今後の発展が非常に楽しみです。