インドのスーパーコンピューティング技術を加速する新たな提携
インドのCentre for Development of Advanced Computing(C-DAC)は、Arm®アーキテクチャーを採用したハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)プロセッサーSoC「AUM」の設計・開発において、MosChip® Technologiesおよびソシオネクスト(Socionext Inc.)との提携を発表しました。
C-DACは、インド電子情報技術省(MeitY)の主要な研究開発機関であり、インドにおける最先端のスーパーコンピューティング技術開発を牽引しています。同センターは、National Supercomputing Mission(NSM)の一環として、HPCシステムを開発し、国内の研究機関に導入しています。
今回の提携は、C-DACが掲げるスーパーコンピューティング技術の完全なインド国産化に向けた重要な一歩となります。C-DACは、独自開発の「RUDRA」コンピュートノードや「Tinetra」インターコネクト、システム・ソフトウェア・スタックに加え、HPCプロセッサーSoC「AUM」を開発することで、自国の技術力向上を目指しています。
今回の提携では、Arm Neoverse™ V2 CPUプラットフォームを採用し、先進のパッケージング技術を取り入れた独自のHPCプロセッサー「AUM」を共同開発します。MosChipの半導体設計専門知識とソシオネクストのSoC技術を組み合わせることで、高い性能とエネルギー効率を実現するプロセッサーの開発を目指します。
各社のコメント
C-DACのE. Magesh Director Generalは、「この提携は、研究開発と産業界の相乗効果を高めるものであり、スーパーコンピューティング技術におけるC-DACの専門知識と、半導体設計・製造におけるMosChipおよびソシオネクストの能力を組み合わせることで、世界標準を満たす、独自の高性能コンピューティングプロセッサーの開発を目指します。」と述べています。
MosChip TechnologiesのSrinivasa Rao Kakumanu Managing Director and CEOは、「このプロジェクトに参加できることを光栄に思います。この提携は、最先端の半導体設計の専門知識を活用し、インドの技術力を強化するという当社のコミットメントを強調するものです。」と述べています。
ソシオネクストの吉田 久人 執行役員副社長は、「C-DACおよびMosChipと共同でHPCプロセッサーAUMの開発を進めることで、インド独自のスーパーコンピューティング・インフラストラクチャーおよびエコシステムをサポートし、国家的に重要な幅広いアプリケーションをサポートできることを嬉しく思います。」と述べています。
インドにおけるスーパーコンピューティング技術の未来
今回の提携は、インドがスーパーコンピューティング分野における世界的なリーダーを目指し、独自の技術開発を加速させる取り組みの一環と言えます。C-DACは、MosChipおよびソシオネクストとの連携を通じて、高性能でエネルギー効率の高いHPCプロセッサー「AUM」を開発することで、インドのスーパーコンピューティング技術のさらなる発展に貢献していくことが期待されます。