IBM、新たにKubecostを買収
2024年9月17日、IBMはKubernetesのコスト監視および最適化の専門企業であるKubecostを買収することを発表しました。Kubernetesは、多くの組織において急速に普及しており、現在84%の企業がこの技術を採用または評価しています(
1)。データ環境が複雑化する中、これらのリソースを効率的に管理し、コストを可視化することは、クラウド関連業務に従事する人々にとって重要な課題となっています。
FinOpsの重要性
FinOpsはクラウドのビジネス価値を最大限に引き出すための運用フレームワークです。これにより、組織は複雑なワークロードを管理するための実用的で戦略的なアプローチを得られます。今回のKubecostの買収は、IBMがFinOpsの成長に力を入れていることを示しており、同社のFinOpsソリューションに新しい価値を加えることになります。
買収がもたらすメリット
IBMは2023年にApptioを買収しており、Kubecostの追加により、同社のFinOpsスイートがさらなる強化を受けます。このスイートは、IBM CloudabilityのFinOps機能とIBM TurbonomicのAIによるクラウドパフォーマンスの自動最適化を統合したものです。これにより、ユーザーはどのような環境でも、クラウド投資を可視化し、効率的に運用することができます。また、IBM Cloudabilityは、リサーチ会社Forresterが発表した「The Forrester Wave™: Cloud Cost Management and Optimization, Q3 2024」でリーダーに選ばれています。
Kubecostの機能と価値
Kubecostは、Kubernetes環境内での支出をリアルタイムで可視化し、データから洞察を得ることができるツールです。このツールを利用することで、FinOpsチームはクラウドの支出を簡単に把握し、最適化することができます。Kubernetesの環境とクラウドの課金APIとの直接統合により、これまでは分断されていた情報が一元化され、リソース不足によるシステムのダウンを防止する力が高まります。
自動化ポートフォリオの強化
IBMのこの動きは、同社の自動化技術をさらに強化する戦略的な一歩です。IBMは、Acquistion系列において、Apptio、Turbonomic、Instana、NS1、Pliantなど多くの企業を買収しており、これらの技術を組み合わせることで、より優れたIT管理を可能にしています。これにより、組織は複雑なIT環境を簡素化し、制御を強化することが期待されます。
Kubecostの概要
Kubecostは2019年に設立され、サンフランシスコを拠点としています。共同創業者であるWebb Brown氏(CEO)とAjay Tripathy氏(CTO)が経営を行っています。同社のソリューションは、クラウド資源管理を一新し、多くの企業にとって不可欠なツールとなっています。
詳しい情報は、Kubecost公式サイトをご覧ください。
1:Cloud Native Computing Foundation(CNCF)の2023年年次調査「Cloud Native 2023: The Undisputed Infrastructure of Global Technology」
この発表は、IBMの公式ブログに基づいています。より詳しい内容は、
こちらのページで確認できます。