最新技術で水道管の更生を実現
積水化学工業株式会社は、老朽化した水道管の更新を可能にする新しい専用管、「エスロハイパーJWPI」を開発しました。この商品は、非開削での作業を可能にし、効率的な水道管更生を追求したものです。
水道管の老朽化は深刻な問題で、全国で毎年2万件以上の漏水や破損事故が発生しています。法定耐用年数である40年を超えた管路が約17.6万km存在する中、全国の水道管の更新率は年々減少しており、全ての水道管を更新するには130年以上かかると言われています。これは、更新に必要な財源の確保が難しいことや、開削工事が困難な地域の多さが影響しています。
このような状況を打破するべく、積水化学はポリエチレン管を用いた「パイプインパイプ工法」に着目しました。新たに開発された「エスロハイパーJWPI」は、耐震性の高いポリエチレン管で、1966年に発売された以来、数回の地震を経て“被害ゼロ”の実績を持っています。これにより、地方自治体の水道料金収入が減少傾向にある中でも、老朽化が進む管路の更新を促進することが期待されています。
エスロハイパーJWPIの特徴
「エスロハイパーJWPI」の大きな特徴は、接合部の縮径によって、EFソケットの外径と管外径がフラットになる点です。これにより、既設の官にスムーズに挿入でき、1サイズダウンでの更生施工が可能となります。通常の接合方法では2サイズダウンが必要でしたが、流量損失を抑えたまま施工ができるのです。このようにして、従来の技術と比べて高効率な工事が行えるのが魅力です。
1.
安定した施工品質
- 「エスロハイパーJWPI」は、一般的なEF(電気融着)接合技術を用いるため、特に難しい技術を必要とせず、地域の水道工事店でも施工が可能です。
2.
フラットな接合部
- 接合部を縮径することで、挿入がスムーズになり、工事の効率が最大限相互作用します。
3.
流量の維持
- 直管部が既設管より1サイズ小さく施工できるため、流量の損失を最小限に抑えられます。
4.
保護層による耐久性
- 外面保護層があるため、管引き込み時の傷を防ぎ、耐久性が向上します。
初展示と未来への展望
「エスロハイパーJWPI」は、2025年10月29日から31日に開催される「2025広島水道展」で初めて実物が展示される予定です。水道業界の専門家や関心のある方々は、ぜひこの機会に足を運んで、最先端の技術を体感していただきたいと思います。
この新製品がもたらすメリットは多岐にわたりますが、何より日本各地の水道インフラを支える重要な役割を果たすことに期待が寄せられています。これにより、老朽化が進行する水道管によるリスク軽減が図られ、全体的に水道サービスの質が向上することが期待されます。
今後の展開に注目しつつ、積水化学が手掛ける新しい製品が地域の水道トラブルを解決していく姿に期待しましょう。