河合楽器製作所、第8次中期経営計画『KAWAI 十年の計』を発表
株式会社河合楽器製作所は、2025年4月から2035年3月までの10年間を対象とした新しい中期経営計画『KAWAI 十年の計』を策定し、小売や教育事業における成長の可能性を探っていきます。これは、成熟した市場環境の中での事業戦略から生まれたもので、以下にその詳細をお伝えします。
1. 10か年計画の背景
楽器教育事業は、河合楽器の主力として大きな成長の余地を持っています。しかし、成熟市場においてシェアを拡大し、新興市場の開拓を図ることには一定の時間が必要です。そのため、従来の3年計画では大きな成長を実現するのは難しいと判断され、この度の10年間計画が策定されました。
2. 財務目標と具体的な数値
この計画では、売上高や営業利益、ROE(自己資本利益率)など具体的な財務目標が設定されています。以下に各期ごとの目標を示します。
- - 2028年3月期: 売上高 900億円、営業利益 50億円、営業利益率 5.6%、ROE 5.5%
- - 2031年3月期: 売上高 1,100億円、営業利益 80億円、営業利益率 7.3%、ROE 10.0%
- - 2035年3月期: 売上高 1,300億円、営業利益 150億円、営業利益率 11.5%、ROE 16.0%を目指します。
3. 目指すべき未来像
『KAWAI 十年の計』では、最終的な目標は「世界一の鍵盤楽器メーカー」となることです。この目標を達成するためには、鍵盤楽器事業の成長を促進するだけでなく、企業価値の永続的な向上も求められます。特に、デジタル化の進展とともに、アナログ製品への需要も増加する中、リアルなモノやコトの需要も意識した戦略を進めます。
4. 成長戦略の基本方針
- - 成熟市場でのシェア向上: 欧州、北米、日本、中国などの成熟市場は全体の88%を占めるとされ、ここでの製品の高付加価値化とシェア拡大が重要な課題です。
- - 新規事業の創出: 新興市場に依存せず、既存市場でのシェアを高めることで大きな成長を目指します。
- - 資本効率の改善と株主還元の強化: 持続的な成長を追求し、株主還元のバランスを保つためのキャピタルアロケーションを実施し、累進配当と総還元性向50%以上を目指します。
今後の10年間で、河合楽器製作所はこの計画を通じて、さらなる成長を遂げることを目指しています。詳細な情報は、以下のリンクから確認可能です。
中期経営計画策定に関するお知らせ
これからの河合楽器製作所の動向に注目が集まります。