職場選びのワークスタイルに迫る新たな調査
職場を選ぶ際の思考と、経営者が考える理想の職場のギャップを明らかにする「Well-Working Gap」の調査結果が、株式会社ECOTONEによって発表されました。この調査は、全国で働く1,339名の有職者を対象に、転職意向がある人たちと経営者たちの意見を同じ15項目で比較し、双方の認識のずれを可視化しています。特に注目すべきは、両者の間で最も大きなギャップが見られた「オンとオフのリズムを持ちながら回復できること」という項目で、この認識の差は36.9ポイントにも達しました。
1. 求められる職場の価値観
調査によると、転職を考えている人たちが最も重視するのは、「困ったときに助け合える職場」ということが明らかです。その割合は81.2%に上ります。この他にも「楽しく働ける雰囲気(76.4%)」や「オンとオフのリズムを持ちながら回復ができること(76.2%)」が上位にランクインしており、職場での人間関係や回復力に重きを置いていることが伺えます。一方で、「がんばりが正しく収入で報われる」という意見は10番目に位置し、報酬よりも心理的なサポートや雰囲気を重要視している様子が見えます。
2. 現実のギャップ
一方で、転職意向者の理想と経営者が実現できている現実とのギャップが明らかになりました。最も顕著なのは、前述の「オンとオフのリズムを持ちながら回復できること」が36.9ポイントの差であり、続いて「がんばりが収入で報われる(31.0ポイント)」や「楽しく働ける雰囲気(28.4ポイント)」なども大きなギャップを持っています。対して「自由な働き方(3.5ポイント)」や「社会貢献(4.1ポイント)」に関してはごくわずかなギャップであり、企業側が語りやすい理念は伝えられているものの、働き手が求める日常に密接に関わる要素が不足しているというのが実態です。
3. ウェルビーイングとその行動傾向
ウェルビーイングが高いとされる人たちの行動パターンにも特徴があります。ウェルビーイングに働けている層の中で「コミュニティや居場所が多い(58.3%)」ということがトップに挙げられ、その他にも「新しいことを創り出すのが好き(53.1%)」「移動が多く出会いがある(50.3%)」などが続き、多様なつながりを重視することが明らかです。「挑戦を恐れない(47.0%)」姿勢も重要で、これらの行動がウェルビーイングに貢献していることが示されています。
4. 経営者が意識すべき点
株式会社ECOTONEの代表取締役社長である堂上研氏は、「この調査によって、働き手の願望と経営者の自己評価を同じ視点で比較することに成功した」と述べています。そこで見えてきたのは、求められているのは立派な理念や自由な働き方ではなく、本質的なサポートや助け合いといった日常の中の実感だということです。企業が社員のウェルビーイングを向上させるためには、まずは基本的な労働環境を整え、社員が安心して回復できる場を提供することから始めるべきだと強調しています。
結論
これからの企業経営は、制度や理念の追求ではなく、日々の環境作りが重要です。働き手と経営者が共通の目標を持つことで、より良い職場環境を築くことが可能になるでしょう。この調査結果をもとに、多様なつながりを育みつつ、働き手が心身ともに回復できる職場を作っていくことが、今後の企業経営の鍵となります。