シンガポールでつまみ細工を学ぶ新しい講座が開講
日本の伝統工芸の一つ、つまみ細工。一見すると美しい装飾品の裏には、深い歴史とサステナビリティの精神があります。そして、この度シンガポールで新たに開講される国際認定講師講座「Tsumamizaiku Craft & Therapy」が、この魅力を広めるきっかけとなりそうです。
つまみ細工とは
つまみ細工は、江戸時代から続く技法で、正方形の布を折りたたんで作り上げた花びらや葉を使い、美しい装飾品を生み出します。主に舞妓さんの髪飾りなどに使用され、近年ではファッションアイテムやインテリアとしても再評価されています。その技術は、感性にも訴える美しさと、持続可能なものづくりの可能性を秘めています。
サステナビリティとつまみ細工
Palette Japanの代表、太田智子氏は、つまみ細工が持つ環境への配慮を強調し、「もったいない」というリサイクル精神を講座の中に取り入れています。受講者は、工芸の技術だけでなく、日本の歴史やサステナビリティについても深く学ぶことができるのです。この国際認定講師講座は、すべて英語で提供され、主にシンガポールの教室で行われます。
この講座では、シンガポール人セラピー専門家による心の調整の時間も用意されており、日本の「無心(mushin)」や心の整え方を学ぶことで、受講者はより深い指導力を身につけられます。技術を学ぶ過程で、自分自身の内面に向き合うことで、教える力を育む重要な要素となっています。
新しい試み「花いろは×堺注染」
シンガポールでは「花いろは×堺注染」つまみ細工キットも販売されています。このキットは初心者向けで、特別な道具なしでも簡単に美しいつまみ細工が楽しめるように設計されています。大阪府堺市の伝統染色技法を活用した布を使い、30分ほどで華やかなブローチが完成します。
特にこのキットは、廃棄予定の生地を使用しており、アップサイクルの精神を具現化しています。シンガポールも資源が限られているため、この取り組みは特に注目されています。
シンガポールのメディアでも話題のこのキットは、持続可能なものづくりを楽しむ新しい手法として受け入れられ、ワークショップには多くの人々が参加しています。
今後の展望
Palette Japanは、これからもこのキットや講座で日本の伝統工芸を広め、日本の文化を再認識してもらうことを目指しています。太田氏は、「日本の伝統工芸が持つ本来の価値を再確認し、価格を越えた魅力を感じてほしい」と強く願っています。日本国内においても、シンガポールで磨かれた技術や想いを通じて、つまみ細工や注染染めの魅力を伝えていくための新しい挑戦が続きます。
まとめ
国際認定講師講座「Tsumamizaiku Craft & Therapy」は、ただの技術習得にとどまらず、心の整えや日本の伝統への敬意を育む貴重な機会です。改めてつまみ細工の魅力を見つめ直し、次の時代へと繋げていくための新たな風をシンガポールから感じてみましょう。