ストレスの数値化を通じた職場復帰支援の新たな試み
近年、メンタルヘルスの重要性がますます認識されている中、精神疾患による休職者が増加しています。一度休職を経験した人の再休職率が50%を超えると言われる状況下、職場復帰支援へのニーズは高まっています。そこで、株式会社プリメディカと医療法人静心会藤田メンタルケアサテライト徳重北が注目するのは、ストレスの“数値化”です。彼らは、尿中バイオピリンを利用した研究を始め、職場復帰を支える新たな支援プログラムの開発を目指しています。
研究の背景
精神的な健康状態は、職場でのパフォーマンスや生活の質に深く関連しています。しかし、現状のリワーク支援は、主に自己申告や主観的な評価に依存しているため、客観的な指標の必要性が求められていました。さらに、地域間の医療リソースの格差が存在し、支援体制が整っている都市部とそうでない地域において大きな差があることが問題視されています。
そのため、プリメディカと藤田メンタルケアサテライトは、リワーク受講者の尿中バイオピリン濃度を測定し、心理社会的変数との関連を探る共同研究を実施。これにより、より客観的なストレス評価を実現し、質の高い復職支援を提供しようとしています。
バイオピリンの特性
バイオピリンは、体内の酸化ストレスが高まった時に生成される代謝産物であり、精神的ストレスとの関連性が研究でも示されています。プリメディカが開発した尿検査サービス「ココシル」では、このバイオピリンを測定することで、ストレス状態を数値化し、わかりやすく可視化することができます。具体的には、尿中のバイオピリン濃度を測定し、その値に基づいてストレスレベルを評価します。
研究の目的
本研究のテーマは、「リワーク受講者における尿中バイオピリン濃度変動と心理社会的変数との関連検討」です。リワークプログラムを通じて得られる心理状態の変化と、尿中バイオピリン濃度との関係性を明らかにすることで、再休職の予防につながる新しい指標を提供することを目指しています。研究は、藤田メンタルケアサテライトが主導し、プリメディカがバイオピリンの測定・分析を担当します。
研究の期待される成果
この研究を通じて、バイオピリンの測定結果が、医療リソースが限られている地域でも役立つことが期待されています。具体的には、リワーク支援の質が均一化され、再休職の防止につながるという新しい概念の構築が求められています。知られざるストレスの実態を可視化することで、科学的根拠に基づいた復職支援の実現が可能となるのです。
メンタルストレス尿検査「ココシル」
「ココシル」は、尿検査によってストレスを測定する新しいサービスです。自宅で簡単に採尿ができ、その結果をもとにストレスのレベルを数値として確認できます。このような手軽さは、健康経営にも寄与するものとして、多くの企業で注目を集めています。
まとめ
最近の精神的健康問題の増加に対応するため、ストレスを数値化する取り組みは重要性を増しています。株式会社プリメディカと医療法人静心会による共同研究は、職場復帰支援をより科学的で客観的なものにする一助となることが期待されています。今後の進捗が待たれるこのプロジェクトが、より多くの人々の職場復帰に貢献することを願っています。