植物性卵UMAMI EGGにさらなる支援が決定
近年、食品業界ではペットや動物福祉への配慮が高まり、植物性代替品の需要が高まっています。その流れの中、UMAMI UNITEDが開発を進める植物性卵『UMAMI EGG』が、株式会社ジェネシア・ベンチャーズからさらなる資金助成を受けることが発表されました。このサポートは、持続可能な食品の創出を目指す同社のプレシリーズAラウンドにおいて実現されました。
追加出資の背景
UMAMI UNITEDが位置する市場環境は急速に変化しています。特に、鳥インフルエンザの影響による鶏卵の供給不足や価格の高騰が、製菓や製パン業界に深刻な影響を及ぼしています。また、EUなどでは動物福祉規制が厳格化され、鶏卵の使用に対する壁が高まってきています。そうした中、UMAMI UNITEDは「ONE TABLEで未来を創る」というビジョンのもと、食品事業者向けに最適な植物性卵を提供し、着実に成長を続けています。
UMAMI UNITEDの取り組み
同社は、植物性卵の開発にあたり、単なる代替品ではなく、特定の用途に応じた機能性を持つ卵製品を提供しています。用途に応じた機能特化型アプローチは、例えば、つなぎや菓子パン、液卵ハイブリッドなど、多様なニーズに対応できるものです。これにより、コストと品質の最適化を図ることが可能となります。
また、UMAMI UNITEDは独自の卵機能性ライブラリを構築し、顧客の個々のニーズに合わせたソリューションを迅速に提供しています。このライブラリ化によって、食品事業者が求める機能を持った製品を開発する能力が格段に向上しました。さらに、植物由来の材料を使用することで、環境への負荷を大幅に削減できるため、持続可能性の観点からも強みを持っています。
資金の使用用途と今後の展望
今回の出資によって調達した資金は、次の用途で活用される計画です。1つ目は、研究開発体制の拡充やライブラリの構築をさらに進めること。2つ目は、生産工場の選定や製造体制の確立を加速すること。3つ目は、海外とのパートナーシップを拡大し、新市場への展開を図ること。また、人材育成も重要なポイントであり、研究開発メンバーや工場管理者の採用にも注力します。
これにより、UMAMI UNITEDは国内外の食品メーカーへの販路を拡大し、植物性代替肉市場の成長に寄与することを目指しています。また、マーガリンとバターの関係のように、食品事業者にとっての新たな選択肢となることを目指しているのです。
経済的な観点からの見る既存の選択肢
近年の食材価格の変動により、多くの食品メーカーは価格変動に強い原料を求めており、UMAMI EGGはその要望に応えるべく進化しています。例えば、泡立ちや結着などの機能をベースにした設計思想のもと、より自由なレシピ作成が可能となり、特にベーカリーや製麺業界での導入が進んでいるのです。
さらに、UMAMI UNITEDは、適切な素材を選択することで、供給と価格の影響を受けにくい安定的な選択肢を提供することに寄与しています。これにより様々な製品が安定した供給を受けられるようになり、結果的に消費者の選択肢も増えることになります。
会社の背景
UMAMI UNITEDは、東京都渋谷区に本社を置く会社で、代表取締役の山﨑 寛斗氏がリーダーシップをとっています。彼らは魚由来の素材を使用した製品を中心に、代替卵の開発を行ってきました。
また、ジェネシア・ベンチャーズは同じく東京都渋谷区に本社を構え、2016年に設立されたベンチャーキャピタルです。代表取締役の田島 聡一氏が進めるこの投資は、今後も植物性卵の市場における成長を後押しすることでしょう。
持続可能な食品の未来が、UMAMI UNITEDによって切り拓かれることに期待が高まります。