近代書道の新たな風、和田彩の「Sho展」
神戸阪急の新館7階美術画廊で、6月4日から10日まで和田彩の書展「Sho展」が開催されます。この展示は、和田が生み出す独自の書の世界を楽しむ絶好の機会です。
和田彩は、神戸市で育ち、7歳の頃から書道に親しんできました。彼女の作品は、体内から湧き出る感情を線や形で表現しています。彼女の書のすべてが「Sho」であり、その形を見た人は「これが絵?」と驚くことでしょう。彼女が提唱する“書画同源”の思想に基づく作品群は、古代の文字から進化した「Moji」の世界を形成し、遊び心と「Kawaii」を感じさせます。
展示内容とインスタレーション
本展では、「Sho」シリーズと「Moji」シリーズから厳選した22点が展示され、特にインスタレーション作品「祈り」が際立っています。この作品は柔らかくしなやかな布を使用しており、光を通して風に流れる姿勢が、見る者の心に訴えかけます。斬新な視点で構築されたこのインスタレーションは、絵画とは異なる感覚的体験を提供します。
また、特に注目すべきなのが「Emotional Reality」という考え方に基づく作品です。この作品は、見る角度や光の加減によって様々な表情を浮かべ、観客に新たな発見を促します。和田彩は、東洋と西洋の書道を融合させた前衛的なアプローチで国内外から高く評価されており、彼女のアートは視覚的だけでなく、情緒的な体験でもあります。
作家メッセージとライブパフォーマンス
和田は「書」という技法を通じて新しい芸術を探索しており、彼女の作品は新旧の伝統を巧みに絡めたものです。彼女自身が言うように、インスタレーションは書を五感で楽しむ手段として位置付けられています。古代文字から派生した「Moji」の世界観や、禅寺の石庭に触発された「Sho」は、海外でも高い評価を受けています。
さらに本展では、ライブパフォーマンスも開催され、和田自身が直接その場で書道を披露します。6月7日と8日の午後2時から、各30分間のパフォーマンスが予定されていますので、参加する方は見逃せません。
作家のプロフィール
和田彩は、兵庫県神戸市出身で、神戸大学大学院の博士課程を修了しています。彼女は書道の技法に基づく作品制作の傍ら、書の技術を学術的に探究しています。数々の受賞歴も有し、国内外での個展も数多く開催しており、その活動は目覚ましいものです。
まとめ
神戸阪急で行われる和田彩の書展は、現代アートと伝統的な書道が出会う特別なイベントでしょう。彼女の作品がどのように形作られるのか、またそれがどのように見る者の心に響くのか、この機会にぜひ体感してみることをお勧めします。書の新たな可能性とともに、和田彩の世界に浸るひとときを楽しんでください。