富洋海運グループ、兵機海運への公開買付けを発表
株式会社富洋海運(代表取締役久保大介)が完全子会社の堂島汽船を通じて、2024年10月17日に兵機海運株式会社に対して公開買付け(TOB)を実施することが決定しました。この取り組みは、兵機海運との資本業務提携を目指すものです。
富洋海運グループについて
富洋海運及びその子会社堂島汽船は、外航海運を主業務とする企業です。日本国内での海運業はもちろん、シンガポールを拠点に海外市場も視野に入れた事業展開を行っています。2024年には、約125億円という売上を見込んでおり、タンカーの船舶管理において強みを発揮しています。国際的なビジネスを広げ、顧客のニーズに応じた多様な船型の運営管理を実施。中には石油会社なども含まれ、世界各国の港に対応できる汎用性の高い船を保有しています。これにより、マーケットリスクや地政学的リスクにも対応できる経営体制を構築しています。
公開買付けの目的
兵機海運は大阪市に拠点を置く企業であり、その物流サービスにおいて独自性とバランスの良さを持っています。富洋海運は、兵機海運の事業に対し外航海運業務で培ったノウハウを活用することで、シナジーを生み出し、企業価値を高めることができると考えています。2024年5月からは資本業務提携の検討を開始し、評価の提示を試みましたが、十分な進展は見られませんでした。
このような背景から、富洋海運グループは公開買付けを通じて透明性を持った交渉を行い、兵機海運とより深いパートナーシップを築くことを目指しています。すでに、兵機海運の株式を1.18%保有しており、今後の取引を見据えて、所有割合を増やすことで発言力を向上させる狙いがあります。これによって、早期の資本業務提携を実現させることが期待されています。
公開買付けの価格設定
今回の公開買付けでは、兵機海運の普通株式の価格が、1株あたり3,250円に設定されました。この価格は、2024年10月17日の終値である2,770円を上回るものであり、過去16年間の間で兵機海運の株式を市場で取得した株主にとっても魅力的な条件となる見込みです。つまり、株主にとっては取得価格以上での売却機会が得られることを意味します。
まとめ
富洋海運グループによる兵機海運への公開買付けは、両社間の事業シナジーを構築し、企業価値を向上させる狙いがあります。正式なパートナーシップを結ぶことで、今後の海運市場における競争力が高まり、さらなる発展が期待されます。詳細については、富洋海運の公式サイトでの確認が推奨されます。