福岡市における小児救急医療の新たな挑戦
2025年6月1日より、福岡市で医療DXのレイヤードとティーペックが共同開発した「こどもの症状 受診の目安ナビ」の実証実験が始まります。これは、急な体調変化に直面した際に、保護者が子どもの受診判断を支援する新しいサービスです。
背景と目的
小児救急医療には全国的に大きな課題が存在し、特に休日や夜間における医療の確保が大きなテーマとなっています。2024年4月から施行される医師の働き方改革の影響により、急な受診が必要な場合でも医療機関の人員確保が難しくなり、地域によっては診療体制の維持そのものが困難に。これに対応するために、保護者が迅速かつ適切な受診判断を行えるような仕組みの整備が求められています。
「こどもの症状 受診の目安ナビ」の特徴
本サービスは、保護者がスマートフォンやパソコンを通じて、子どもの症状をWEB問診Symviewに入力すると、受診の必要性や自宅でできるケアのアドバイスが段階的に表示される仕組みです。必要に応じて、看護師や小児科医による電話相談も可能で、事前に入力された情報をもとに具体的なアドバイスを受けることができます。このことにより、日常的にデジタルツールを使用する保護者にとっても使いやすく、迅速な判断が促されるのです。
実証実験の詳細
福岡市内に居住する小中学生を持つ世帯が対象で、保護者がSymviewを利用して症状を公式問診に入力することで、受診の目安が段階的に提示されます。不安がある場合には、24時間体制の看護師や夜間・休日に対応する小児科医に電話相談できるので、安心です。この実証実験は2026年5月31日まで行われ、効果検証や利用状況の分析に基づいた改善案が期待されています。
事業者の取り組み
レイヤードは、医療機関や自治体に対して医療DXソリューションを提供しており、WEB問診Symviewを通じて患者と医療者との接点をつなぐ仕組みを展開しています。また、ティーペックは全国規模で24時間対応の健康相談サービスを提供し、心強いサポートを提供しています。両社は密接に連携し、地域医療への貢献を目指しています。
まとめ
福岡市での「こどもの症状 受診の目安ナビ」は、小児救急医療の新たなモデルを提示し、保護者に寄り添ったサービスとして今後の期待が寄せられています。地域の医療資源を有効活用し、安心して子育てができる社会の実現を目指します。このプロジェクトが他地域にも展開されることが期待されます。