耳の健康を守るために知っておきたい難聴のサインと対処法

最近、周囲で「聞き返しが増えた」「テレビの音を大きくしないと聞こえない」といった声を耳にすることはありませんか？私たちが普段意識せずに続けている会話や音楽、テレビの音量は、実は耳の健康と密接に関わっているのです。
日本医師会が発行する「健康ぷらざ」の最新号（NO.583）では、こうした症状が示す可能性のある「加齢性難聴」について詳しく取り上げています。

難聴の症状とは？

「難聴」という言葉を聞くと、多くの人は完全に耳が聞こえなくなる状態を想像するかもしれません。しかし、実際には軽度や中等度の難聴も多く存在し、例えば「人の声がかすかに聞こえるが理解できない」といったケースや「周囲の雑音に埋もれてしまう」といったトラブルが日常的に起こります。
特に、加齢に伴い耳の機能は徐々に低下し、自然な過程で聞こえづらくなることが多いのです。加齢性難聴は特定の周波数の音が聞こえづらくなるため、会話の中の微妙なニュアンスが掴みづらくなります。

難聴がもたらす影響

難聴は単に音が聞こえない状態ではなく、生活に多大な影響を及ぼすことがあります。まず、友人や家族とのコミュニケーションに支障が出るため、孤立感を感じやすくなります。また、聞き逃した会話から誤解が生じ、対人関係が悪化する場合もあります。さらに、難聴によってストレスや抑うつを引き起こすこともあり、精神的な健康にも影響を及ぼします。
和佐野浩一郎・東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科の准教授は「軽度の聞きづらさを感じた場合でも、相談することが大切です」と助言しています。

どう対応するべきか？

もし、聞きづらさを感じたらまずはかかりつけ医を訪ねてみましょう。耳鼻咽喉科では様々な検査を通じて、あなたの聴力の状態を正確に把握することができます。また、難聴の進行を遅らせるためのアプローチや、補聴器が必要な場合の適切な提案を受けることができます。
加齢性難聴は初期段階で適切な対処を行うことで進行を制御できることが多いので、早めのケアが重要です。

健康ぷらざの役割

「健康ぷらざ」は、日本医師会が健康に関する情報を国民に提供することを目的に制作されているポスターシリーズです。これまでにも「グリーフケア」や「歯周病」といったテーマが取り上げられており、今回の難聴に関する情報もその一環です。健康ぷらざのWebサイトには、550を超えるバックナンバーが無料で公開されているため、ぜひご覧になり、自身の健康管理に役立ててください。

健康は何よりも大切です。自分自身の耳の状態について理解を深め、少しでも不安材料があれば早めに行動を起こしましょう。耳が聞こえづらいということは、決して放置すべきことではありません。あなたの生活をより豊かにするためにも、まずは一歩を踏み出してみましょう！