静岡市とAホールディングスが連携協定を締結
2024年8月21日、静岡市と株式会社Aホールディングスは、「環境中のPFAS除去・無害化に関する取り組みの推進およびSDGs環境先進都市の実現」のための連携協定を締結しました。この協定は、高濃度のPFAS汚染が問題となっている静岡市「三保雨水ポンプ場」での実証実験を受けてのもので、成果として最大88.7%の汚染除去が達成されました。
協定の背景と実験結果
静岡市では、清水区の水路や井戸水から国の暫定指針を大きく超えるPFASが検出され、問題が深刻化していました。PFASは「永遠の化学物質」とも呼ばれ、地下水にも浸透して雨水として公共水域に流出するため、迅速な対策が求められました。そこで、Aホールディングスの亜臨界水総合システムを利用した汚染除去の実証実験が提案されました。
実験は今年の7月に三保雨水ポンプ場で開始され、特殊技術を搭載した加圧浮上分離装置が使用されました。約1ヶ月間の実証実験で、最大88.7%のPFAS除去が成功したことが報告され、今後のさらなる実証実験に向けた期待が高まっています。
連携協定の目的と今後の展望
協定は、PFASの汚染水の除去だけでなく、さらに放射性物質の除去や、産業廃棄物処理におけるCO2・ダイオキシン削減にも応用できることを目指しています。新法人を設立し、静岡市が参画することで、亜臨界水総合システムの技術を多角的に活用したSDGs達成を推進する計画です。
新法人設立と環境問題解決の取り組み
この新法人では、国内外のPFAS発生源や汚染地域への装置の普及を目指し、家庭向けの浄水器や超小型サイズの処理装置の開発にも取り組む予定です。また、家庭ゴミや産業廃棄物をCO2やダイオキシンゼロに処理し、資源化するプロジェクトも進行中です。
市長とAホールディングス社長のコメント
静岡市の市長、難波喬司氏は、PFAS問題の解決に向けたAホールディングスの技術に期待するコメントを寄せ、「市民の生命と財産を守る」使命を強調しました。また、Aホールディングスの代表取締役社長、粟井英朗氏は、新法人設立に向けた感謝の意を表明し、環境問題解決への強い決意を述べました。
この連携協定により、静岡市とAホールディングスは、科学的根拠に基づいた先進的なアプローチで、環境問題の解決に向けた取り組みを一層強化していきます。持続可能な未来を目指し、さらなる前進が期待されています。