京都の伝統を継承する新体制の誕生
2025年6月1日、京都に本社を置く株式会社京都やま六および株式会社京都一の傳は、大きな転機を迎えます。新たに中尾太一氏が代表取締役社長に就任し、41年間社長を務めた秦健二氏は代表取締役会長に就任します。この人事異動は、創業以来90年以上の歴史を持つ同社にとって、親族以外の人物が初めて社長に就任する重要な一歩です。
中尾太一氏の経歴
中尾氏は、25歳で株式会社PLEINを創業し、料理人としての経験と経営者としての視点を兼ね備えています。東京銀座や京都祇園でレストランや小売業を展開し、実績を上げました。2018年からは、やま六と一の傳の店舗事業アドバイザーとして新たな事業を推進し、2023年からは子会社の社長を歴任しました。このような経歴から、伝統を重んじつつも新たな視点での展開が期待されています。
高まる期待と責任
中尾氏は自身の就任にあたり、「西京漬けの素晴らしさを世界中の人々に届けたい」という強い想いを語っています。長年にわたり会社を支えてきた秦会長の意志や従業員たちの努力をしっかりと胸に刻みながら、次の100年へ向けた新たな挑戦に挑む決意を示しています。彼の料理人としての視点を生かし、創業百年の伝統を踏まえた経営が行われることでしょう。
秦健二氏の想い
新会長の秦氏は、これまでの経営に対する思いを「もっと美味しい西京漬けをつくりたい」という強い情熱で語ります。彼が歩んできた41年間の努力は、売上を10億円未満から40億円規模にまで成長させる原動力になりました。その背景には、手間と時間を惜しまず、品質を追求する誠実さがあったと彼は振り返ります。
会社の将来への展望
新たな経営体制のもと、やま六と一の傳は今後も伝統と革新を両立させながら、さらなる成長を遂げようとしています。中尾氏と秦氏の強固なタッグによる経営方針がどのように実現されていくのか、今後の展開に期待が寄せられます。
この人事異動を通じて、京都の老舗が新たな年を迎える姿勢は、他の業界にも刺激を与えることでしょう。地域に根付いた伝統を引き継ぎながら、未来に向けた挑戦に立ち向かっていく姿勢は、多くの人々に支持されるはずです。