毎年厳しさが増す猛暑、運動部活動に何が影響?
大正製薬株式会社が全国の運動部に所属する高校生約700人を対象に実施した「猛暑時の運動に関する実態調査」から、運動神経が最も磨かれる季節における驚くべき指摘が浮かび上がりました。特に、猛暑を背景にした運動中のパフォーマンス低下や体温の制御が深刻な問題となっているようです。
調査結果の概要
調査では、「猛暑時の運動中に感じること」として、48.9%の高校生が「パフォーマンスが低下した」と回答。また、約50%の参加者は「上昇した体温がなかなか下がらない」ことを感じたとしています。これは、部活動を行う上で大きな障害となるかもしれません。
特に夏の運動競技大会であるインターハイが開催される北部九州では、この暑さ対策が一層重要視されています。
数値が示す過酷な運動環境
具体的には、パフォーマンスの低下を最も感じたのは「陸上競技」が55.4%、次いで「硬式テニス」が54.3%、最後に「ダンス」が54.0%という結果が出ました。また、注意力の低下に関しても29.9%の生徒が影響を感じており、特に「卓球」では44.2%、次いで「ダンス」が38.0%でした。
運動部が参加する施設、特に室内競技が行われる体育館では、熱のこもりやすい環境が影響している可能性があります。大型の扇風機で送風を行っているものの、湿気や風通しの悪さは依然として課題として残ります。
休憩中の体温の問題
「猛暑時の休憩中に感じること」については、48.3%が「上昇した体温がなかなか下がらない」と答えました。バドミントンや硬式テニス、卓球など、体温が下がりにくい傾向が見られ、湿度が高い環境が影響を与えていると考えられます。こうした環境では、運動後の休憩にも適切な対策が求められます。
熱中症リスクを考える
熱中症は深部体温の上昇と密接に関わっており、暑熱環境下での運動はリスクを高めると言われています。調査では、生徒の約9割が「熱中症と深部体温の関係」を理解していないことが明らかになりました。深部体温は通常37度ほどで、運動により徐々に高くなるため、その管理は極めて重要です。
「アイススラリー」への注目
さらに、近年注目を集めている「アイススラリー」について知っている生徒は約7%、使用しているのはわずか2%という現状も報告されました。アイススラリーは、身体を効率よく冷却する手段として期待されていますが、その認知度も低いことがわかります。
健康づくりへの貢献
大正製薬では、アイススラリーの可能性に注目し、さらなる研究を進めています。「身体内部からの冷却により運動パフォーマンスが向上する」といった実験結果が発表されており、今後の健康管理に大きな光明が見えてきています。興味のある方は、関連ドキュメントをぜひ確認してください。
この夏の猛暑にどう対策を講じるか、これからの運動部活動の重要なテーマとなることでしょう。