JEPX価格予測モデルの革新
1. 株式会社Sassorの取り組み
東東京を拠点に活動する株式会社Sassorは、このたび再生可能エネルギー電源の運用をサポートするために、特定の価格帯への予測に特化した新しいモデルを開発しました。これは、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場における価格が0.01円に達する時間帯を特定するためのものです。これは、出力制御頻度の増加や価格低迷の影響を受けている発電事業者にとって、非常に重要なツールとなるでしょう。
2. 背景と課題
再生可能エネルギーの普及と供給過多は、発電事業者にとって新たな課題をもたらしています。特にFIP電源と呼ばれる仕組みは、JEPX価格の下限に達するとプレミアム手当が適用されなくなり、収益性が大きく損なわれるリスクを内包しています。このような状況を改善するためには、価格が0.01円に達するコマでの発電分を蓄電池に充電し、高価格コマで放電することで収益の向上を図る「供給シフト」の手法が注目されています。
3. 新たな予測モデルの概要
今回開発された予測モデルは、独自のアルゴリズムと歴史的データの解析に基づいており、JEPXスポット市場の価格が0.01円になるコマを高精度で予測可能です。特に、九州、四国、中国エリアの過去データを活用し、実地検証を通じて高い精度が実現されています。このモデルにより、発電事業者はより戦略的に発電計画を立てることができるようになります。
4. モデル活用のメリット
開発された予測モデルは、蓄電池の効率的な運用やFIT電源からFIP電源への転換を考慮した収益試算など、幅広い業務に役立ちます。さらに、FIP電源に蓄電池を併設した場合の収益性を見積もる「FIP電源シミュレーション」サービスも提供されており、供給シフトの効果を最大化することができます。
5. 未来への展望
株式会社Sassorは、今後も再生可能エネルギーの普及と活用を促進するため、予測モデルの精度向上や新しいサービスの展開に努める方針です。持続可能なエネルギーリソースの管理と活用は、ますます重要な課題となるでしょう。私たちは、その一環として、アグリゲーションサービス「ENES」の開発を続け、将来的には様々なリソースを統合管理する取り組みを進めていきます。
6. 会社情報
株式会社Sassorは、2010年に設立され、エネルギーの分析・制御技術を駆使して、多様なサービスを提供しています。公式ウェブサイト(
https://www.sassor.com)では、最新の情報やサービスについて確認できます。これからも持続可能なエネルギー社会の実現に向けて、邁進していく姿勢を鮮明にしていきます。