キリンの全国展開が始まる「premedi」とは
キリンホールディングス株式会社は、2024年10月1日から調剤薬局向けの新しい置き薬サービス「premedi」を全国に展開することを発表しました。この新サービスは、高田製薬株式会社と協力して実施され、今後の医療分野に大きな影響をもたらすと期待されています。
「premedi」の背景と目的
近年、医療現場では効率化が求められています。その進展の一環として、厚生労働省が推進している医療DX(デジタル・トランスフォーメーション)が進んでいます。2023年1月に始まった電子処方箋や、オンライン診療・服薬指導の導入によって、患者がより良質な医療を受けられる環境が整いつつあります。これらの動きに応じて、調剤薬局も新たなサービスを提供する必要があります。
「premedi」は、キリンのAI技術を活用して、調剤薬局ごとの医薬品利用状況を予測し、少量ずつの置き薬を提供するサービスです。これにより、薬局は必要な医薬品を在庫として簡単に管理できるようになり、無駄な廃棄物が減少することから、持続可能な医療提供が実現されます。
サービスの拡大と今後の展望
現在、「premedi」はトライアルとして東京、神奈川、千葉、愛知、福岡の5つのエリアで展開されており、2024年10月からは全国の薬局への提案が進む予定です。導入店舗数も着実に増加しており、2024年8月には130店にまで拡大する見込みです。
このサービスは、薬局が患者のニーズに応じた多様な医薬品を提供できるようにするためのものです。医療機関の増加に伴い、薬局には様々な種類の薬を揃えることが求められています。このような状況において、「premedi」は課題解決の一手となるでしょう。
パートナーシップの重要性
キリンと高田製薬の両社は、本サービスの拡大に向けて相互に協力しています。高田製薬の営業チームが、自社の製品情報を提供しつつ、薬局の課題に対する解決策を提案。さらに、共同でセミナーや展示会を開催し、最新の業界動向を共有することで、薬局からの信頼を得る努力をしています。
「premedi」は、医療機関や薬局が連携して患者にとって利便性の高い医療サービスを提供する鍵となっているのです。高田製薬の代表者は、「このサービスを通じて、製薬会社としての役割を果たす重要な機会と位置づけている」と表現しています。
まとめ
キリンの「premedi」は、調剤薬局における新しい医療サービスの提供を目指しています。この全国展開により、より多くの薬局が効率的で質の高い医療サービスを提供できるようになることが期待されます。未来の医療が、より患者に優しく、アクセスしやすいものとなることに繋がるでしょう。